肌の水分や皮脂が減少すると角質が剥がれ、うるおいを失ってしまいます。
この状態が「乾燥肌」です。
特に乾燥しやすい部分はヒジやスネ、ヒザ、足の裏などです。
これらの部分は、もともと皮脂が少ないということが乾燥を引き起こしやすい要因でもあります。
また、顔でも頬や目、口のまわりは乾燥しやすいので注意が必要なのです。
それでは乾燥肌について、その原因や改善方法をご紹介していきます。
Contents
乾燥肌はどのようにしてなってしまうの?
肌の乾燥に深く関連しているのが、肌の一番外側にある表皮の角質層という部分です。
角質層では、角質細胞や細胞間脂質が隙間なく並ぶことにより肌のバリア機能が働き、肌の内部から水分が逃げるのを抑止しています。
しかし、何らかの原因によりバリア機能が低下すると水分が逃げてしまいます。
肌の乾燥を引き起こさないためには、バリア機能をキープすることが何より大切になります。
では、肌のバリア機能が低下してしまう原因はどのようなものでしょうか。
主な原因としては次のようなものが挙げられます。
肌のターンオーバーの乱れ
うるおいに満ちた肌は、皮膚の細胞が約30日前後で生まれ変わるターンオーバーが正常におこなわれることで保たれています。
しかし、ストレスや睡眠不足などの生活習慣の乱れによって、このサイクルが狂ってしまうとバリア機能も低下しやすくなります。
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エアコンの長時間使用による空気の乾燥
冷暖房問わずエアコンは空気中の水分も吸収してしまうため、長時間使用すると空気が乾燥します。
そして、空気が乾燥することでバリア機能も低下しやすくなります。
また、エアコンの風に直接当たっても肌の水分が逃げてしまい、乾燥肌を引き起こします。
紫外線によるダメージ
紫外線はシミやシワ、日焼けなど肌のトラブルを引き起こす要因となります。
特に、肌の一番外側にある角質層は紫外線のダメージを直接受けやすく、バリア機能を低下させます。
間違ったスキンケア・入浴
毎日の洗顔で肌を擦りすぎたり、ナイロンタオルなどによる洗いすぎや擦りすぎ、洗浄力の強い石鹸や洗顔料の使用によってもバリア機能を低下させることがあります。
また、入浴の際に注意したいのは42℃以上のお湯です。
熱いお湯は肌から必要な脂質を奪い、バリア機能を低下させます。
ビタミンB群の不足
栄養に偏りがあってもバリア機能が低下します。
ビタミンが不足すると肌に悪影響を及ぼしやすく、特にビタミンB群は肌のターンオーバーを正常に機能させる作用があるため、不足するとターンオーバーのサイクルが乱れ、バリア機能が低下します。
加齢による皮脂分泌量の減少
最後に個人差はありますが、加齢により水分やセラミドなどの細胞間脂質が減少していきます。
これが減少することで、バリア機能は低下しやすくなります。
乾燥肌を良くする生活習慣は?
乾燥肌は、ある日突然引き起こされるものではありません。
時間とともに肌に悪影響を及ぼしながら進行していきます。
それはほとんどの乾燥肌は間違った生活習慣によって、引き起こされているからです。
乾燥肌を改善するために大切な生活習慣とはどのようなものでしょうか。
主な対策として次のようなものが挙げられます。
ただし、乾燥肌を改善する食事やスキンケア方法は、別に紹介します。
肌内部をうるおすこまめな水分補給
人間の体は体重の約65%を水分が占めており、そのうち約15%は肌に蓄積されています。
しかし、汗や尿として体内の水分が失われるため、水分を補給しなければ水分不足に陥り、肌の乾燥を引き起こします。
体と肌に適切な水分をキープするためには、1日に1.5~2リットルの水分補給が必要とされています。
喉が渇いたと感じた時点では、既に体内の水分は不足している状態だと考えられます。
喉が渇く前に、こまめな水分補給をおこないましょう。
ターンオーバーを整える質の高い睡眠
ターンオーバーを乱す原因の1つに睡眠不足があります。
睡眠不足になると自律神経が乱れ、ターンオーバーのサイクルを狂わせます。
夜ふかしは止めて十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
また、就寝前にスマートフォンなどを操作していると、目に入ったブルーライトが脳を刺激して寝つきを悪くします。
質の良い睡眠をとるには、就寝前はリラックスして過ごすのが良いでしょう。
遅くとも就寝30分前になったらスマートフォンの利用は止めて、軽いストレッチや読書などをしてゆったり過ごすようにしましょう。
肌のうるおいを守る入浴法
42℃以上の熱いお湯に長時間浸かっていると、肌から必要な脂質が奪われ、肌の乾燥を引き起こすことがあります。
さらに、その体をナイロンタオルなどで擦りすぎてしまうと、肌を傷めてバリア機能を低下させます。
入浴の際はお湯の温度を40℃前後に設定し、浴槽に浸る時間は10分程度にしましょう。
体を洗う際は綿などの柔らかい素材のタオルを使用し、石鹸やボディーソープを十分に泡立てて肌をなでるようにやさしく洗うようにします。
入浴後は肌が乾燥しやすいため、すぐに保湿を行いましょう。
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乾燥肌を良くする食事とは?
ターンオーバーのリズムを整え、乾燥肌を改善する方法の1つに食生活の見直しがあります。
肌に健やかな栄養素を摂り入れることで、内側からターンオーバーの乱れを改善させます。
乾燥肌を改善するには、うるおいのある肌づくりに欠かせない栄養素を食事でしっかり摂取することが大切です。
どのような栄養素が必要なのか、これからご紹介していきます。
タンパク質 | 肌の細胞の原料となりターンオーバーを活性化します。 また、タンパク質は肌細胞の重要な構成成分であるコラーゲン(肌の弾力を保つ)も含まれているため、お肌のハリと弾力には欠かせない栄養素でもあります。 |
肉、魚、大豆製品、卵など | |
ビタミンA (ベータカロテン) | 皮膚や粘膜のうるおいを維持し、さらにターンオーバーのサイクルを安定させます。 また、緑黄色野菜に含まれるベータカロテンは体内でビタミンAに変換されます。 |
レバー、人参、小松菜、ほうれん草など | |
ビタミンB (B2・B6・B12) | 肌のターンオーバーを安定させ、肌荒れを防いでくれます。 |
豚レバー、納豆、モロヘイヤなど(B2) 鶏むね肉、マグロ、にんにくなど(B6) あさり、牡蠣など(B12) | |
ビタミンC | 肌の弾力を保つコラーゲンの生成を促進します。 また、体内の活性酸素を除去する作用があり、肌の酸化から抑えてくれる働きもあります。 |
柑橘類、いちご、キウイフルーツ、ブロッコリー、小松菜など | |
ビタミンE | こちらも肌の構成成分であり、細胞の酸化を防いだり、血行を促したりします。 このような働きでターンオーバーが促進されますので、肌のバリア機能も高めてくれます。 |
豆乳、アボカド、イワシ、いくら、アーモンドなど | |
亜鉛 | 肌のターンオーバーを安定させるのに欠かせない栄養素です。 摂取することでタンパク質の代謝を促し、皮膚や髪のトラブルを解消してくれます。 |
牡蠣、牛肉、卵黄、チーズなど | |
必須脂肪酸 | 肌の表面を覆う皮脂の原料となります。 皮脂が不足すると、皮膚の炎症を引き起こすことも報告されています。 つまり、お肌が乾燥しやすくなってしまうのです。 |
サバ、イワシ、えごま油、亜麻仁油など | |
セラミド | 角質層の水分を保ち、潤いをキープします。 また、皮膚を紫外線などの外部の刺激から守る働きをします。 |
こんにゃく、大豆、黒豆、小豆、ひじき、わかめなど |
乾燥肌の原因は食生活にも?どんな食事をすれば肌質改善出来る?
乾燥肌を良くするスキンケアの方法とは?
乾燥肌を改善するには日々の丁寧なスキンケアが大切です。
清潔さを保つ、十分な保湿、外部刺激から守るという3点を心がけながら、スキンケアをしていきましょう。
スキンケアの種類や手順をご紹介していきます。
クレンジング
メイクを落とすクレンジング剤には洗浄力や使用法によって、さまざまなタイプがあります。
オイルタイプが洗浄力が強くて、すっきりと洗い上がって良いかもしれませんが、実は肌に必要な皮脂まで奪ってしまう可能性があるため乾燥肌には不向きなタイプです。
また、シートで拭き取るタイプもメイクを取る際に摩擦が生じてしまうために、乾燥肌にはやはり不向きでしょう。
では、乾燥肌にはどんなクレンジングが良いか。
それは適度な洗浄力を備えつつ肌への負担が少ない
- ミルクタイプ
- クリームタイプ
- バームタイプ
- 顔を洗う前にまず手をしっかり洗い、清潔な手でクレンジングを始める
- 商品に記載されている使用量を確認し、摩擦で肌を傷めないように適量を守ってつける
- 親指以外の4本指全体を使って、らせんを描くように面積の広い両頬からなじませる
- 今度は額の中心から外側に向かって、らせんを描くようになじませる
- 鼻は指を上下にスライドさせながら、鼻の下は指を左右にスライドさせてなじませる
- 顎は片方の手でらせんを描くようになじませる
- クレンジングとメイクがなじんだら、ぬるま湯ですばやく洗い流す
洗顔
乾燥肌は余分な成分が配合されていないシンプルな洗顔料を使った方が良いでしょう。
刺激に敏感なため香料や防腐剤などは避けて下さい。
すっきり洗い上がるメントール成分入りやスクラブ入りのものも刺激が強いので避けましょう。
汗をあまりかいていなかったり、汚れが気にならない場合は洗顔料を使わないぬるま湯だけの洗顔だけでも十分です。
- 洗顔前に余分な油分を落とすために手を洗い、水かぬるま湯で顔を濡らしておく
- 手のひらで少量のぬるま湯を数回に分けて足しながら、逆さでも落ちないくらいの弾力泡を作る感じで泡立てる
- たっぷりの泡を肌の上で転がすように洗う
- ぬめりがなくなるまで20回程度を目安に、人肌程度のぬるま湯ですすぐ
- 吸水性がある柔らかいタオルを使い、やさしく押さえるようにして水分を吸い取る
乾燥肌と洗顔方法の関係!乾燥肌にはどんな洗顔や洗顔料が良いのか?
肌をいたわる保湿
肌に直接触れながら行うスキンケアは、力が強すぎると摩擦が生じ、逆に肌を傷めます。
肌を傷めてしまうと肌のうるおいをキープするバリア機能が低下して、肌の乾燥を引き起こすことがあります。
スキンケアは肌を傷めないように気をつけながら、やさしく丁寧に行うことが大切です。
乾燥を食い止める「保湿ケアの基本」は化粧水と乳液を使って水分バランスを整えることです。
- 化粧水(肌に潤いを与えて、キメを整える)
- 乳液(油分を補ってうるおいを閉じ込め、乾燥などの外部刺激を防ぐ)
商品にもよりますが、つける順番は化粧水→乳液が望ましいです。
また、もっと乾燥がひどい場合は保湿クリームやバームを取り入れても良いでしょう。
- セラミド(肌のバリア機能を保つ)
- アミノ酸(水分を抱え込む)
- スクワラン、シアバターなど(角質層の潤いに蓋をする)
このような成分の物を選んでみましょう。
乾燥肌のスキンケアは重要!乾燥肌をよくするために行うべきこととは
総合:乾燥肌を良くするためには・・・
いかがでしたか。
乾燥肌は皮膚のバリア機能が低下することで引き起こされます。
その原因となるのが肌のターンオーバーの乱れやエアコンの長時間使用による空気の乾燥、紫外線によるダメージ、間違ったスキンケア・入浴、ビタミンB群の不足、加齢による皮脂分泌量の減少などです。
これらを改善するためには生活習慣や食事の見直しが必要です。
生活習慣は肌内部をうるおすこまめな水分補給、ターンオーバーを整える質の高い睡眠、肌のうるおいを守る入浴法などが重要です。
食事ではタンパク質やビタミンA(ベータカロテン)、ビタミンB2・B6・B12、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、必須脂肪酸、セラミドといった栄養素を摂り入れるようにしましょう。
また、乾燥肌を良くするためのスキンケアも重要になります。
クレンジングや洗顔を正しい方法と手順で行いましょう。
そして、乾燥肌という肌質に合った成分で保湿をしてみてくださいね。
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