皆様、今日はコラーゲンについて話を進めていきます。
美容に効果がある成分:コラーゲンは、肌や体にどんな作用をもたらすのでしょうか。
今回コラーゲンという仕組みや正しい摂り方などについて取り上げます。
コラーゲンに興味のある方どうぞお付き合いください。
Contents
コラーゲン繊維とは何か
コラーゲン繊維というのは膠原繊維ともいわれる、真皮結合組織の成分の90%以上を占めているコラーゲン分子が架け橋のように形成している細い繊維です。
この繊維は線維芽細胞から産生します。
コラーゲンはタンパク質の一種で3重らせん構造をとっていて、繊維を形成するのはⅠ型・Ⅲ型・Ⅴ型のコラーゲンです。
Ⅰ型コラーゲン | ヒトの体に最も豊富に含まれるコラーゲンで、大きな好酸性の繊維を形成する |
Ⅲ型コラーゲン | 弾性のある組織に多く存在する線維性コラーゲン |
Ⅴ型コラーゲン | 肌の基底膜を構成するコラーゲン。網目状の会合体を形成する |
ざっとコラーゲンの型を紹介しましたが、Ⅲ型やV型のコラーゲンが働いて、I型コラーゲンの作るコラーゲン線維の太さを調節したり、制御していたりします。
繊維といってもコラーゲン繊維の太さは、通常数十~百数十nm(ナノメートル)程度です。
この太さはそのコラーゲン線維を作っているコラーゲンの各型の割合やプロテオグリカン(糖とタンパク質の複合体)などによって決まります。
コラーゲンが繊維化しているのには、お肌の真皮内をネット状に規則正しく並び、テントを支えるようにしてその外側の表皮部分をピンと張った状態に保っているからです。

先ほどこの繊維を架け橋のようにと例えましたが、例えば紫外線や加齢で線維芽細胞が老化すると、生産量が減りコラーゲン繊維も形が細くなったり途中で途切れたりします。
すると、表皮がきちんと支えられなくなっていき、それがしわやたるみの元となるのです。
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コラーゲン繊維とエラスチン繊維の関係
複雑な仕組みでしたが、コラーゲン繊維についてお分かりいただけたでしょうか。
コラーゲンは全タンパク質の約30%も占めるといわれていますが、何もしわやたるみを防ぐのはコラーゲン繊維だけではありません。
もう一つ「弾性繊維」とも呼ばれるエラスチン繊維というものをご紹介します。
硬いタンパク質の一種ですから、水には溶けずゴムのような弾力性があります。
お肌の真皮で結合される組織部分でのタンパク質の量の割合はわずか約2%と少ないですが、それでも皮膚の弾性には重要な成分なのです。
このエラスチンは肌にハリや弾力を与えたり、血管や靭帯の伸縮性を維持します。
エラスチン繊維というのは直径0.2~3μm(マイクロメートル)で、平均的なコラーゲン繊維より細いのが特徴です。
主成分はエラスチンで、それ以外の成分がエラスチンを取り囲んで繊維が出来上がります。
構造としてコラーゲン繊維の間にはエラスチン繊維があります。
コラーゲン繊維を結び付けて、ベッドのスプリングのような働きをします。
お肌の真皮の約70%をコラーゲンが網の目のように張り巡らされているなら、その網の目部分を結び付けているのがエラスチンというわけです。
この2つが合わさることでバネのような構造になり、お肌の真皮にハリを与えることができるのです。
しかし、このバネ構造は年齢とともにゆるんでいき、弾力を失いしわやたるみとなります。
また、肌以外でもエラスチンが減少すると血管の柔軟性も失われていきますので、動脈硬化、心筋梗塞、脳血栓などを発症するリスクが高くなる可能性があります。
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コラーゲンが不足するとどうなるのか
繰り返し述べますが、コラーゲンは美容や健康にとって重要な成分です。
美容部分
前半でも触れましたが、加齢や紫外線の影響で減少してしまうと、美容効果がなくなってしまうのでしわやたるみになりやすくなります。
また、意外にも肌の保水力も低下していき、お肌も乾燥していきます。
(25歳をピークに40歳では約1/2、60歳で約1/3になってしまうと言われています。)
古くなったコラーゲンが分解されずに硬くなり、新陳代謝によって生み出される新しい“健康なコラーゲン”の量が急激に減るからです。

それに肌だけでなく、髪の毛も抜けてきたり白髪になったりします。
コラーゲンが十分にあると、髪の毛にツヤ・潤いが出て頭皮も健康になります。
頭皮も肌の一種ですよ。
健康部分
そして、美容部分だけでなく、骨の質を強くする作用も持っています。
「骨はカルシウム」のイメージですが、例えていうなら鉄筋コンクリートの家を造る際のコンクリートがカルシウム部分で、鉄筋がコラーゲンという仕組みです。
骨の量を増やすカルシウムだけ摂っても骨は丈夫にならず、質を高めるためにコラーゲンやタンパク質が必要なのです。
なので、コラーゲンが減少するということは骨も脆くなり、骨粗しょう症にもなりやすいです。
また、血管の動脈による弾力を生み出しているのもコラーゲンです。
皆さんの血圧が仮に一時高くなっても、その都度対応できているのはコラーゲンのおかげなのです。
それに、血管壁に万が一傷がついたとしても、コラーゲンが血管中に在れば傷口を塞ぐこともできます。
もし、コラーゲンが不足していると血管の弾力が失われますし、コラーゲン自体も変性します。
コレステロールなどがどんどん沈着し始め、動脈硬化へとつながるのです。
このようにコラーゲンが不足すると、あらゆる面で不具合が起こってくるのです。
コラーゲンを摂りすぎるとどうなるのか
「美容のためにはコラーゲン」と一気にたくさん鶏や魚を食べてませんか?
実はその摂り方は間違いです。
「コラーゲンをたくさん摂ればきれいになれる」という説は嘘といっても良いでしょう。
コラーゲンを過剰に摂取するということは高タンパクの食事をするのと同じです。
摂り過ぎるとその分肝臓や腎臓が働かなくなります。
身体に吸収されない栄養分は不純物と一緒に体外に排出されますが、身体に吸収されるものと排出されるもの、その両方を肝臓が分解します。
コラーゲンを摂り過ぎると肝臓に負担をかけ、最終的には肝臓病になる可能性も出てきます。
また、タンパク質を摂るということは腎臓にも負担をかけます。
主に動物性タンパク質を大量に摂ると体内が酸性に傾きます。
身体が酸性に傾くとクエン酸を消費して、体内のバランスをとろうとするのです。
クエン酸は尿管結石を防ぐのに必要な成分なので、その部分のクエン酸が持っていかれるとしわ寄せが来ます。
そんな腎臓の仕事量が増えるので、腎臓に負担が掛かるということです。

腎臓には腎炎、腎不全、ネフローゼ症候群(尿にタンパクがたくさん出て低タンパク血症によってむくみとなる病)などたくさんの病気が隠れています。
セルライトとは皮下脂肪のことで、余分なアミノ酸が排出されずに一部は脂肪となるのです。
それが固まるとセルライトになります。
コラーゲン豊富な食品は高脂質な物が多いので、太ってしまったということもあり得ます。
コラーゲン成分が高濃度で体内へ摂取されると、体内の水分がコラーゲンのところへ引き寄せられる関係で腸内が水分不足に陥ります。
それによって、腸内の水分が少なくなっていますから排便に必要な腸の蠕動(ぜんどう)運動がスムーズにできなくなります。
便秘になるとお肌は荒れやすくなりますから、適量を守りたいですね。
コラーゲンというのは1日に必要なコラーゲンの量が決まっています。
その量を次の項目でご説明しましょう。
コラーゲンには種類がある!それぞれの違いを知って効率よい摂取を
1日に必要なコラーゲンの量
再度言いますが、1日に必要なコラーゲンの量は決まっています。
コラーゲンの量と摂り方
1日に必要なコラーゲンの量は5g~10gです。
小さい量かもしれませんが、身近な食材と照らし合わせてみるとこんな量になります。
食材100g中 | |
フカヒレ | 9,920mg |
牛すじ | 4,980mg |
鶏軟骨 | 4,000mg |
豚白モツ | 3,080mg |
手羽先 | 1,550mg |
うなぎの蒲焼き | 5,530mg |
サケ | 皮ありだと2,410mg |
サンマの開き | 皮ありだと2,230mg |
ブリ | 皮ありだと1,620mg |
フカヒレは特に断トツで100gのフカヒレの中に、1日に必要なコラーゲンの量が十分入っている計算になります。
美容のためにも食べすぎには良くないことが分かります。
もし、ダイエットしているけどコラーゲンも欲しい方には鶏肉がおすすめです。
魚にも特に皮の部分にコラーゲンが入っていますから、魚を食べる際は皮もちゃんと食べた方が良いですね。
また、ゼラチンにもコラーゲンが含まれているため、ゼリーやムースを作る際は寒天ではなくゼラチンを使うと良いでしょう。
コラーゲンと一緒に摂ってほしい栄養素
じつはコラーゲンというのはビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップするんです。
コラーゲンは摂取すればそのままコラーゲンになるのではありません。
コラーゲンは体内で一度アミノ酸に分解されてから必要に応じて再合成されます。
その際ビタミンCがサポートしてくれるというわけです。
これがコラーゲンの生成を促す作用なのです。
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コラーゲンを上手に摂りましょう
コラーゲンという成分の仕組みについてお伝えしてきました。
コラーゲンは肌や体の中で幾重にもらせん構造を描いて、皮膚同士を架け橋のようにつなげる役割を持っています。
その強固な繊維は加齢や紫外線の影響で減少し、壊れやすいものなのです。
コラーゲンが減少するなら摂取が必要です。
コラーゲンは肌だけでなく、髪や骨、血管にも必要な成分です。
摂取するにはコラーゲンが含まれる食材を摂ってみましょう。
だけど、あまり一度にたくさん摂ると太ったり、腎臓や肝臓といった臓器の健康被害に遭ってしまいますから注意して摂ってくださいね!
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