皆さんの中にアロマをやっている人はいますか。
アロマとはアロマテラピーが正確な呼び名で、植物から採取される精油を使った「芳香療法」のことです。
この精油の匂いを嗅ぐことによって、肉体的な不調や精神的な気分の落ち込み、不眠などをやわらげる効果があります。
また、精油を皮膚に塗ることにより、毛細血管やリンパ管から有効成分が吸収されて、全身に運ばれる作用もあり、有効です。
では、乾燥肌にはアロマは効くでしょうか。
精油にはいろいろな種類がありますが、どんな精油が乾燥肌には良いのかおすすめのアロマオイルをご紹介します。
乾燥肌にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
乾燥肌の原因
乾燥肌とは「肌の水分と皮脂が不足してうるおいがなくなっている状態」のことです。
水分や皮脂が不足しているため、肌ツヤが失われ、化粧のノリが悪くなります。
洗顔や入浴の後に、つっぱる感じも起きます。
お肌には外側から、表皮・真皮・皮下組織と複雑な仕組みをしています。
そして、お肌は一番外側の皮脂膜によって守られています。
皮脂膜とは、皮脂と水分から作られる天然の保湿クリームのような働きをしており、紫外線や空気の乾燥などの外的刺激から肌を守るバリアの役目をしてくれています。
しかし、何らかの要因によって、皮脂膜や肌内部のうるおい成分の産生が滞ってしまうと、肌の水分は維持できなくなるので乾燥肌になってしまいます。
このバリア機能が低下すると、上記のような肌トラブルが生じるのです。
では、なぜ肌のバリア機能が低下してしまうのでしょうか。
空気の乾燥
私たちの肌は、本来皮脂や汗を分泌して乾燥から肌を守ろうとする力を持っています。
ところが、湿度が50%未満の乾燥している空気だと、肌のバリア機能を保つためのうるおい成分が減少するため、肌も乾燥してしまいます。
特に寒くなると外気の湿度が下がりますよね。
しかし、現代では、夏でも冬でもエアコンが利いています。
そのような室内で長時間過ごしていても、空気中の水分が奪われるため、肌が乾燥します。
これもバリア機能を低下させる一因だといわれています。
紫外線
紫外線はシミや日焼けだけの問題かと思いきや、じつは乾燥肌とも関係があります。
太陽光に含まれる紫外線は肌の一番外側にある角質層にストレートに当たりますから、その結果水分が奪われてしまいます。
肌表面だけでなく、表皮の内側の真皮の部分までダメージを受けるため、皮膚の若い細胞が傷つけられていきます。
そうなると、細胞の並びが不均一になって、肌もごわつきます。
そのため、バリア機能を担っている角質層の細胞も不均一になり、ところどころ穴があいたような状態になってバリア機能が低下します。

間違ったスキンケア
皆さんが日頃習慣にしているスキンケアも、じつはバリア機能を低下させている一因になっている可能性があります。
特に注意すべきは、洗いすぎやこすりすぎです。
洗いすぎはクレンジングや洗顔を長時間することや、洗浄力の強いもので使用するのがいけない点です。
お肌に必要な皮脂まで洗い流してしまうために、肌のバリア機能が低下してしまいます。
また、こすりすぎの点もゴシゴシとお肌をこすりますから、摩擦で角質層を傷つけてしまいます。
それによって肌のバリア機能が低下するということです。
生活習慣の乱れ
生活習慣が乱れていても肌のバリア機能が低下します。
乱れた食生活や睡眠不足、それに喫煙などが挙げられます。
・食生活が乱れていると、肌を作るうえでの必要な栄養素が不足することになるので、乾燥につながります。
・睡眠は睡眠時には成長ホルモンが出て、皮膚の水分を保つ働きや皮膚の細胞分裂や再生を促す働きをしてくれるので、美肌を作るうえで大切です。
成長ホルモンの分泌が低下すると、肌の修復も間に合わなくなるためにバリア機能も低下してしまうのです。
・喫煙は、まずタバコを2本吸うだけで1日分のビタミンC量が消費されます。
成人の男女とも1日にビタミンC量は100mg必要とされていますが、そのビタミンCをタバコの成分が破壊してしまいます。
それに、喫煙によって体内に入ったタバコの煙は活性酸素に変化します。
活性酸素が増加すると、肌細胞へ必要な酸素が不足するため、皮膚の代謝が低下していって肌荒れにもつながっていきます。
美肌とアロマの関係
美肌とは、健康でハリのあるお肌のことです。
うるおいはお肌の透明感を保つ重要な要素で、お肌の角質層に十分なうるおいがなければ、表皮はたちまちカサカサになってしまいます。
なぜ、美肌にアロマが効果があるというと、香りの成分が鼻や脳だけでなく、呼吸をすることで香りの成分が肺に取り込まれるからです。
それが血流に乗って、素早く全身を巡る働きもします。
それに精油は嗅ぐだけでなく、マッサージなどで皮膚に塗ることもできます。
それにより、毛細血管やリンパ管から有効成分が吸収されて、全身に運ばれ、肌の調子を良くしてくれるのです。
冒頭でも述べたように、精油にはいろいろな種類があります。
美肌にはどんなアロマが良いのでしょうか。
次の項目でご紹介していきます。
乾燥はお肌の大敵!?乾燥から来る肌荒れの予防と対策をご紹介します
美肌に関するアロマの種類とそれぞれの効果
アロマオイルは、専用のアロマランプや蒸気を出すアロマディフューザーがなくても使用できます。
- ハンカチやコットンなどに、好きなオイル1~2滴垂らして嗅ぐ
- マグカップなどにお湯を入れて、好きなオイルを1~3滴垂らして鼻や口から楽しむ
- 洗面器などにお湯を入れて、好きなオイルを1~3滴垂らして、湯気を顔に当てるフェイシャルスキンケア
- 好きなオイル1~5滴と、5mL程度の無水エタノールをよく混ぜて、入浴を楽しむ(アロマオイルは水には溶けない性質のため、アロマオイルのみでは完全にお湯には混ざりません)
- シャンプーで楽しむ
- タオルを当てて楽しむ(湿布法)
- 肌に塗って楽しむ(トリートメント法)
いろいろな用途が考えられるアロマオイルですが、やはり美容に思う存分使いたいですよね。
では、どんなアロマオイルが美肌に良いのでしょうか。
こちらでは、乾燥肌以外のアロマオイルをご紹介します。
乾燥肌に効果のあるアロマオイルを知りたい場合は、次項へお進みください。
ラベンダー
皆さんもラベンダーの香りを嗅いで、リラックスした経験があるかと思います。
ラベンダーの香りはフローラル調の甘みと爽やかさがあります。
そんなラベンダーにはいくつもの効能がありますが、肌への作用としては、まず、抗菌・抗炎症作用が挙げられます。
これらの働きにより、雑菌が原因のニキビや肌荒れを予防し、荒れた肌にもその炎症を鎮める効果があります。
また、傷跡をきれいに治す働きもありますから、肌を美しく再生する働きにも期待できます。
他にも、肌細胞を活性化させる働きもあるため、肌のターンオーバーのサイクルを活性化させることも知られています。
そのため、肌トラブルを改善させ、美白やシミ、そばかすの改善にも役立ちます。
- 妊娠初期での使用は避けましょう。(神経毒性のあるモノテルペンアルコール類のボルネオールや、ケトン類のカンファーを含むため)
- 低血圧気味の方は、血圧を下げる働きがあるので使用を控えましょう。
- 高濃度での使用、また精油を直接皮膚につけることも避けましょう。
ローズマリー
ローズマリーはユーカリに似た、爽やかでリフレッシュできる香りです。
清々しさを感じられますので、頭の中や気持ちを整理したいときにピッタリの香りです。
集中力や記憶力をアップしたい方や、冷え性やリウマチなどの神経症を和らげたい人におすすめのアロマです。
一方、肌への効能では、血行を良くして代謝を促し、皮膚の組織を再生する働きがあります。
そのため、あかぎれや肌荒れの治りを早めたり、肌にハリを与えてシワを予防したり、むくみを改善したりといろいろな効果があります。
頭皮においても、フケを抑えて頭髪を健やかに保つ働きもします。
イランイラン
イランイランとは、フィリピンやインドネシアなど熱帯地方を原産とする樹木です。
ジャスミンに似た甘く濃厚な香りがあります。
イランイランのアロマの効能は、鎮静作用や抗うつ作用に優れているところです。
そのため、ストレスや緊張から解放して、幸福感をもたらしてくれます。
また、ストレス性の動悸や不整脈、高血圧の改善にも効果的です。
肌への効能としては、女性ホルモンの分泌や皮脂バランスを調整してくれることです。
女性ホルモンの分泌調整では、ホルモンバランスの乱れから起こる肌荒れやPMS、更年期障害など女性特有のトラブルの緩和に役立てることができます。
皮脂バランスの調整では、肌へはもちろん、髪のお手入れにも効果があります。
ただ、皮膚刺激を感じることがあるので、敏感肌の方は使用量に気を付けましょう。
アロマオイルでシミや肌トラブルを改善!シミに効くアロマの美白効果とシミが生じてしまうメカニズムとは?
乾燥肌におすすめのアロマオイルとは?
乾燥肌の説明で、記事の前半に皮膚のバリア機能について触れました。
このバリア機能をしっかり修復して、お肌の中の水分が蒸発しないようするのが乾燥肌には大事です。
この目的のために、アロマを選ぶとしたら、保湿作用・鎮静作用・細胞成長促進作用といった効能のものが良いでしょう。
ローズウッド
ローズウッドはバラとは異なる樹木ですが、バラのような香りがすることから、そのような名前がつけられています。
肌への効能としては、皮脂のバランスを整える作用、細胞を活性化する作用、さらにはアンチエイジングにも期待できます。
すべての肌質に対応できるアロマなので、スキンケアに安心して使うことができます。
カモミールローマン
多年草の植物で、夏に2~3cmの白い小さな花を咲かせます。
リンゴのようなフルーティーな香りがします。
肌への効能は抗炎症作用や鎮静作用です。
そのため、花粉による目や肌のかゆみ、乾燥などを緩和してくれます。
他には、ニキビや肌荒れの症状を落ちつかせる働きもあります。
抗アレルギー作用もありますから、アトピー性皮膚炎やじんましんなどの皮膚トラブルの改善にも役立ちます。
ゼラニウム
アフリカを原産とする植物で、ローズゼラニウムの葉から採れるアロマです。
フローラルな香りの中にややグリーンな印象を感じる香りです。
肌への効能は、シミやシワ、アンチエイジング、それに皮脂のバランスを整える働きがあります。
乾燥肌、脂性肌、混合肌へのスキンケアにもおすすめです。
油分の多いTゾーンや、反対に乾燥しやすい目尻や口元にも使えます。
他にも、虫よけ対策やむくみの解消などにも効果があります。
アロマで乾燥肌を保湿!?潤いと癒し効果のあるアロマの正しい使い方
アロマを使った手作りアロマ化粧水とクリーム
アロマを使って、自分で化粧品を手作りすることができます。
化粧品を自分で作ることは、次のようなメリットがあります。
- 自分の肌状態に合う手作り化粧品が使える
- 自分の肌状態に不足している成分をプラスできる
- 無添加化粧品を使い続けられる
- 手作り化粧品の中身の成分を把握できる
- 市販の化粧品を買うより費用を抑えられる
手作りアロマ化粧水
使用する材料や道具(容器50ml分)

- 精製水(40ml)
- 無水エタノール(5ml)
- グリセリン(5ml)
- スプレー容器(50ml)1つ
- お好みのアロマオイル1~2滴(乾燥肌にはゼラニウム、カモミール・ローマン、ラベンダーなどがおすすめ)
作り方
- 無水エタノールを容器に入れる
- アロマオイルを入れて、よくかき混ぜる
- 精製水を入れて、よくかき混ぜる
- グリセリンを入れて、よくかき混ぜる
以上でできあがりです。
- 防腐剤や保存料が入っていないので、2週間以内に使い切るようにしましょう。
- 肌に合わない場合は使用を中止してください。
- 病気や妊娠中の方は使用を控えましょう。
手作りアロマクリーム
化粧水同様、保湿クリームも手作りすることができます。
肌の荒れや乾燥には「みつろうクリーム」がおすすめです。

使用する材料や道具
- 好みの植物油10ml(スイートアーモンドオイルやホホバオイル)
- みつろう2g
- お好みの精油2滴
- 耐熱性容器
- クリームを入れる容器
※植物油は食用のではなく、化粧品専用のものを使いましょう。
作り方
- 耐熱性容器に植物油とみつろうを入れて湯せんにかけ、みつろうを完全に溶かす。ここで一度しっかり混ぜて、みつろうを植物油にきちんと馴染ませておくことが肝心。
- クリーム用容器に移して、表面にうっすら膜ができ始めたら精油を加える。竹串などでよくかき混ぜる。
- よく混ぜたら、容器ごと机にトントンと打ち付けてクリームの中に入った空気を抜く。
- 完全にクリームが冷めて固まったら、蓋を閉めて完成!
- 市販品のような添加物や防腐剤を含んでないので、1ヶ月を目安に使い切りましょう。
- 敏感肌やアレルギーなど、体調による皮膚のかぶれなどが心配な方は、あらかじめパッチテストをしてから使用しましょう。
手軽にアロマでスキンケア
今回は乾燥肌の改善策として、アロマを取り上げました。
アロマはアロマキャンドルや専用のグッズを使わなくても、スキンケアができます。
アロマオイルはたくさん種類があるので、乾燥肌にお悩みの方はそれに効くアロマを選ばなければいけません。
この記事を参考に、アロマでスキンケアをしてみてはいかがでしょうか。
また、アロマを使った化粧品の作り方もご紹介しました。
費用が安く済む分、市販品との化粧品で異なるのは、添加物が入っていないために傷みやすいことです。
もし、化粧品を作る際は自己責任になりますので、どうか安全に配慮して行なってくださいね。
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