高い保湿力を持ち、お肌への刺激が少ないことで有名なヒアルロン酸。
普段化粧品を選ぶ時に目にしないことの方が少ないのではないでしょうか?
ですが、商品の裏の成分表を見てみると、”ヒアルロン酸”の隣に見たことも無い名称が書いてあったりしますよね。
ヒアルロン酸Naや加水分解ヒアルロン酸などなど…
今回はその中の一つである、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムについて調べてみました。
Contents
ヒアルロン酸とは
そもそも、ヒアルロン酸とはヒトの体内に元から含まれている保水成分のことで、化粧水や乳液などスキンケア商品に多く含まれています。
そういったスキンケア商品を指で触ってみると、ぺとぺと、ねばねばとしていませんか?
実はこれがヒアルロン酸の正体で、スキンケアの要である保湿をヒアルロン酸が担っているんです。
ヒアルロン酸はねばねばとした粘性をもっており、体の中では細胞と細胞をつなぐという大切な役割を持っています。
これが不足するとお肌が乾燥してしまったり、あらゆる肌トラブルの原因になってしまうので、私達は化粧水や乳液などを使って、これを補給しているのです。
また、ヒアルロン酸は親和性が高く、アレルギーの心配が殆どないことでも有名です。
ヒアルロン酸は元々眼球の中に詰まっている硝子体の成分として発見されたものなのですが、この様に体の中のどこにでもある成分なので、アレルギー反応を起こしにくいんです。
その為、スキンケア商品だけでなく、医療の現場で関節痛の治療に使われたり、美容医療の現場ではヒアルロン酸注射などに使われていたりなど、幅広く使われています。
また、その保湿力も抜群で、ヒアルロン酸が発見された眼球内は99%が水分と言われているのですが、その99%の水分を保持する一端をヒアルロン酸が担っているのです。
なんと、1gあたり6Lもの水分を保持できるとまで言われています。
このような性質ですからお肌に優しく保湿効果を与えてくれ、更にアレルギーも起こしにくいのですから、世間に浸透していくわけです。
そのため、化粧下地やファンデーションなど、メイクに使われる化粧品の様に長時間付け続ける必要がある製品にはそのままの状態のヒアルロン酸を使うことができないのです。
肌の保湿にはヒアルロン酸!保湿に万能に使えるヒアルロン酸原液とは
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムの効果
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムという長い単語は、一般にはヒアロベールとも呼ばれ、通常のヒアルロン酸の欠点を克服したとも言える成分です。
通常のヒアルロン酸は水に流れやすく、そのままの状態で化粧品に配合してしまうとすぐ崩れてしまうものになってしまいますが、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムはヒアルロン酸の保湿力をそのままに、イオンの力で持続力がプラスされています。
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムが配合されている化粧品はぴったりとお肌に吸着し、保湿力があるのにべたつかない化粧品になります。
主に洗顔フォームや化粧水などのスキンケア商品や、化粧下地、ファンデーションやマスカラなど様々な用途で配合されています。
更に注目すべきなのが、コンディショナーやトリートメントなどのヘアケア製品です。
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムは吸着して保護する役割を担っていますから、修復作用のあるコンディショナーを使用した後に、トリートメントにヒアルロン酸で包みこめば修復効果を更に高められる可能性があるのです。
更に、ヒアルロン酸特有のべたつきも軽減されているので、さらりとした満足のいく仕上がりになりますよ。
また、合わない化粧下地を使っていると時間とともにテカリが出て来てしまいますが、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムが配合されている化粧下地はお肌を保湿のベールで包み込んでくれる為、テカリの原因となる皮脂の分泌を抑えることができます。
現在では様々な化粧品に配合されていますから、是非探してみてはいかがでしょうか。
筆者も夏場は特にテカリに悩まされている為、是非とも試してみたいですね。
ヒアルロン酸は髪にも良い?ヒアルロン酸を使ったヘアケアでツヤ髪へ
デメリットはある?
とはいえ、人工的に作られた成分ですから、デメリットがないかどうかは心配ですよね。
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムは、ヒアルロン酸Naを陽イオン界面活性剤に変質させた成分です。
これによりイオンの力でプラス帯電させることができるので、マイナスに帯電している人の皮膚や髪などとしっかり吸着する仕組みになっています。
界面活性剤
このヒアルロン酸は分子が大きく、お肌の中に浸透していくものではありません。
その代わりに肌にぴったりと吸着し、お肌の中にある保水成分が逃げないように包んでくれるのですね。
ただし、この成分は界面活性剤に分類されています。
界面活性剤は化粧品にはなくてはならない存在ですが、長時間の使用を続けているとお肌にダメージを与えてしまう可能性があります。
安全性試験では問題ないと言われていますが、界面活性剤を一日中つけたまま長期間過ごすとどのような影響が表れるのか、というところまでは試されていません。
髪など皮膚以外の個所ならまだ問題ないとはいえ、メイクなど皮膚に直接触れる使い方をした場合、家に着いたらすぐにメイクを落とすことを意識しましょう。
スキンケアやヘアケアの注意点
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムの注意点として、夜はそうした(化粧水や乳液などの)基礎化粧品は避けたほうがいいかもしれません。
夜はお肌のヒーリングタイムですから、なるべくお肌に優しいナチュラルなヒアルロン酸でしっかりと保湿をしてあげましょう。
正しい使い方をすれば、メイク崩れのしにくい良い化粧品であることは変わりません。
どんな化粧品でもメイクは少なからずお肌に負担をかけるものですから、しっかりとメイクを落とし、一日の終わりにはお気に入りの美容液をたっぷり使って、お肌をいたわってあげましょう。
また、髪に使用する場合、ヒアロベールが髪の毛を包み込み、キューティクルを剥がれおちにくくする効果はありますが、中に浸透していく特徴はありませんので無くなってしまったキューティクルを修復してくれる作用はありません。
ただし、修復作用のあるコンディショナーを使用した後ヒアロベールを使えば、修復成分を髪の毛から逃がさないように包み込んでくれますので、修復作用のあるコンディショナーと一緒に使えば効果が高まると言われています。
どんな成分にも向き・不向きがあります。
成分の特徴をしっかりと理解して、最も効果的な使い方ができるようになるといいですね。
自分に合ったヒアルロン酸化粧水の選び方って?抜群の保湿効果でうるおい肌に
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム配合化粧品には、どんなものがある?
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムは基礎化粧品やヘアケア製品など、様々な製品に使われています。
化粧下地では
その中でも、崩れにくいと言われる化粧下地などには含まれていることがよくあります。
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムは肌に密着し、潤いを閉じ込める効果がありますから、化粧下地を塗る前にしっかりと保湿ケアをしておけば、その潤いをそのまま閉じ込めることができるのです。
更に、塗った後はべたつかないという性質も持っている為、メイクを崩れにくくテカリにくい効果が期待できるので、崩れ防止下地などにはよく含まれているのです。
それと同じく、保湿効果のあるファンデーションや一部のミネラルファンデなどにもよく使われています。
保湿効果があるのにべたつかず、その上、お肌にしっかりと密着してくれる特徴があるので、ファンデーションには最適な成分なんですね。
マスカラやアイブロウ
また、一部のマスカラやアイブロウなどでも使われているそうです。
特に、そのままだと落ちてしまいやすいマスカラですが、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムが配合されることでまつ毛にマスカラがぴったりと密着し、更に水にも強いので汗で流れることも防いでくれます。
ヒアロベールという名前で使われていることも多いので、「使ったことがある」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
トリートメント
メイク用品の他では、トリートメントでもよく使われており、オーガニックやノンシリコンの製品にまで使われているようです。
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムは髪にぴったりと密着してべたつきもありませんから、サラサラの仕上がりになります。
ノンシリコン製品の場合、このヒアルロン酸がシリコンの役割を果たしてくれるのかもしれません。
コンディショナーで保湿・修復成分を髪にしっかりと浸透させた後、トリートメントでヒアルロン酸のベールで包み込めば修復成分の効果を最大限に発揮させることができますから、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムが含まれているトリートメントは効果が高いのではないでしょうか。
頭皮に付くと毛穴を詰まらせる原因になったりしますから、髪の毛の中間~毛先を意識して付けるようにしましょう。
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スキンケアとヘアケアの味方
ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウムは一般的にはヒアロベールと呼ばれています。
ヒアルロン酸と一口でいっても今では様々な種類のヒアルロン酸が存在しています。
名前が違うと効果が違う、ただ保湿効果があるだけじゃない、ということをこの記事で知って頂ければ幸いです。
ヒアルロン酸の名の付く成分は今では様々な製品に使われていますが、名前が少し違うだけでヒアルロン酸とは別物であることがありますから、お肌に優しいものを選びたい時は気を付けたいですね。
とはいえ、上手に使うことができればヒアロベールも効果が高く、とても便利な成分ですから、お肌トラブルを避ける為にもメイクは毎日丁寧に落とすようにしましょう。
また、トリートメントの場合は、髪の毛をヒアロベールが包み込み、キューティクルをはがれにくくしてくれる効果があります。
但し、吸着作用はあっても修復作用はない為、ヒアロベールだけではダメージを回復させる効果が期待できません。
しかし、修復作用のあるコンディショナーを使い、その後にヒアルロン酸のトリートメントで仕上げをすると、修復作用のある成分を髪の毛の中にギュッと閉じ込めてくれますので、修復効果を最大限に高めることができます。
もし、髪のひどい痛みで困っている方は、修復効果のあるコンディショナーとヒアロベール配合のトリートメントを使用してみてはいかがでしょうか?
ヒアロベールでトリートメントをすることで、べたつくことなくサラサラの指触りになりますよ!
こんなふうに「ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム」を使用することができます。
ぜひキレイの為にがんばっていきましょう!
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