医薬部外品って医薬という言葉が付いているから普通のコスメよりも効果がありそうと思っていらっしゃる方が多いようですが、具体的に説明するのは難しいですね。
化粧品や医薬品はどう違うの?効果はどれ位なの?など色々と疑問が沸いてきませんか?
これから基礎的な知識や法律的な話、効果や成分などご紹介していきたいと思います。
医薬部外品の基礎知識
医薬部外品の定義
薬機法では以下の目的のものを医薬部外品と言います。
- 吐きけ、その他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
- あせも、ただれ等の防止
- 脱毛の防止、育毛又は除毛
- 人又は動物の保健のためにする、ねずみ、蠅、蚊、のみ等の駆除又は防止
体に対する作用が穏やかで機械器具等でないもの、そして上記の4項に準ずるもので厚生労働大臣の指定するものを言います。
前記の通り医薬品と化粧品の中間的な存在なのですが、その分類には分かり辛さもあるので実例を見てみましょう。
また、リップクリームでは食品としてのリップクリームもあれば、医薬部外品の薬用リップクリームもあります。
購入する際は商品に記載されている表示等で医薬部外品かどうか確認しましょう。
薬機法の定義
正式名称は「医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
薬機法は今まで薬事法と呼ばれていた法律であり、平成25年11月に改正されて薬機法になりました。
この時の大きな改正点は「再生医療に関する再生医療等製品」の規定が新設された所です。
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医薬部外品の種類

スキンケアなどで使用する医薬部外品は元々医薬品だったものが多いのですが、他にはハエといった害虫を駆除するためのものもあります。
では、どの様な種類があるのか見てみましょう。
医薬品の種類と役割、アイテムの例 | ||
医薬品の種類 | 役割 | アイテムの例 |
指定 医薬部外品 |
元々医薬品として販売されていたものが、2009年の薬事法改正による規制緩和により医薬部外品として販売されるようになりました。
これを指定医薬部外品と言います。 また、改正に伴い厚生労働大臣が指定したものも指定医薬部外品と言います。 |
― |
新指定 医薬部外品 |
前記「1.吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止」に準ずるもので、平成11年3月医薬発280号の厚生労働省医薬安全局長通知で施行されています。 |
などが該当します。 |
新範囲 医薬部外品 |
同じく前記「1.吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止」に準ずるもので、厚生労働大臣が指定するものです。
2004年の規制緩和によって371の商品群が医薬品から医薬部外品に移行されました。 |
などが該当します。 |
防除用 医薬部外品 |
前記「4.人又は動物の保健のためにする、ねずみ、蠅、蚊、のみ等の駆除又は防止」に準ずるもので厚生労働大臣が指定するものです。 |
などが該当します。 |
医薬部外品 | 2009年の薬事法改正の前から、医薬部外品として販売されていたものです。 |
などが該当します。 |
医薬品、医薬部外品、化粧品の違い
前記の通り医薬部外品は医薬品と化粧品の中間的な位置にある商品ですが、医薬品と医薬部外品を比べた後に医薬部外品と化粧品を比べてみましょう。
医薬品と医薬部外品

日本薬局方に収められていて、疾病の診断、治療、予防に使用されるものが医薬品です。
- 医療用医薬品(処方薬)
- 要指導医薬品
- 一般用医薬
医療用医薬品は患者に合わせて医師が処方しますが、要指導医薬品と一般用医薬品は患者が薬局で購入する事が出来ます。
効能、効果は医薬部外品よりも効果はあります。
一方、医薬部外品は人体への作用が緩和なものを言い、治療というよりは防止・衛生を目的としています。
規制緩和の一環としてそれまで医薬品だったものを医薬部外品として薬剤師の居ないお店でも販売する事が出来る様になりました。
健胃薬や整腸薬、消化薬などがそれに当たります。
医薬品と医薬部外品の見分け方は容器にどちらかの名称が書かれていますので見分けられます。
医薬部外品と化粧品

化粧品と医薬部外品の区別も分かりづらいところがあります。
その大きな違いは使用する事が出来る成分の違い、有効成分が規定量配合されているかどうかです。
化粧品 | |
配合禁止成分 | 例:水銀、カドミウム、ホルモン類、ホルマリンなど約32成分+医薬品成分 |
配合制限成分 | 例:サリチル酸0.20%以下など約17成分 |
配合許可成分 | 例:防腐、殺菌剤(約43種)、紫外線吸収剤(約28種)、タール色素(約83種)など |
医薬部外品 | |
製品ごとに承認成分により配合上限値が有り(例:ヘアカラー中の染毛成分) |
化粧品は有効成分が配合されていないか、または有効成分が極少量入っているかになります。
そして、医薬部外品は有効成分が規定量配合され、厚生労働省が認可したものです。
また、化粧品は医薬部外品と比べて更に効果・効能が緩和で「清潔、美化、健やかに保つ」などが目的になります。
医薬部外品の成分表示

化粧品は全成分表示が義務付けられていますが、医薬部外品では全成分表示が義務ではありません。
しかし、2006年に定められた日本化粧品工業連合会の自主基準に従い全成分を表示しているものもあります。
この自主基準は「厚生労働省」と「医薬部外品の成分表示に関わる医薬部外品関係団体」が意見交換、検討、審議をして自主基準として成分の表示を行うとなりました。
概ねどの様な自主基準なのか簡単にご紹介します。
- 考え方
自主基準として成分表示を行う。
医薬部外品の成分表示に関わる消費者からの問い合わせに対し、的確、迅速に対応する - 対象となる医薬部外品
腋臭防止剤、てんか粉類、育毛剤(養毛剤)、除毛剤、薬用石鹸を除いた薬用化粧品、忌避剤を対象とし、薬機法第20条第2項に基づき厚生労働大臣が指定する医薬部外品は検討対象としない。 - 表示成分の範囲
原則、医薬部外品の承認書に記載された全成分とする。
企業秘密成分については企業判断で表示しない事が出来る。 - 試供品
消費者からの求めに応じて配合された成分をいつでも確認する事が出来る文書を、渡す事が出来る範囲において定められた法定表示としてよい。
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医薬部外品の美白成分と効果
美白成分とは美白効果と安全性があると厚生労働省が認めた成分であり、この成分を配合の範囲内で使用した上で認可された医薬部外品が美白化粧品として販売されています。
その効果は医薬部外品以外のものよりも効果が必ずしも高いという訳でなく、一定の範囲内で使用する場合の安全性と効果が国の基準を通過していると言う事です。
では、どの様な成分があるのか、幾つかご紹介していきたいと思います。
ビタミンC | ビタミンCの還元作用でメラニンの生成を遅延させます。 他にはメラニンを直接還元し、色を淡くする作用もあります。 |
プラセンタエキス | 動物の胎盤から抽出された成分であり、古くからメラニンの生成を抑えるとされています。 医薬部外品として活用されてきました。 |
コウジ酸 | メラニンの生成に関係する酵素チロシナーゼの働きを抑制します。 チロシナーゼを抑制するメカニズムはチロシナーゼに必要な銅原子を奪う事でチロシナーゼの動きを止める阻害剤です。 |
アルブチン | 酵素チロシナーゼの動きを阻害してメラニンの過剰生成を抑え、シミやそばかすを防ぎます。 チロシナーゼを抑制するメカニズムはチロシンとチロシナーゼの結合を防いで阻害します。 |
エラグ酸 | こちらも酵素チロシナーゼを働きを抑えます。 コウジ酸と同じ様にチロシナーゼに必要な銅原子を奪い、動けなくするタイプの阻害剤です。 |
ルシノール | 酵素チロシナーゼとチロシンの合体を防ぎ、メラニンの生成を抑制します。 |
カモミラET | 情報伝達物質のエンドセリンを抑制する事によってメラノサイトの活性化や増殖を抑えます。 |
リノール酸S(リノレックS) | メラニンの生成に必要な酵素チロシナーゼを分解する事によってメラニンの生成を抑えます。 また、他には肌の生まれ変わりを促す事によってメラニンの排出を促進します。 |
トラネキサム酸 (t-AMCHA) |
シミ部分の慢性的な微弱炎症に効果を発揮し、メラノサイト細胞の活性化を抑制します。 |
4MSK | 4-メトキシサリチル酸カリウム塩の略称です。 メラニン生成に関係する酵素チロシナーゼの活性を抑え、またシミ部分の慢性的な角化プロセスの乱れに作用してメラニンの排出を促します。 |
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医薬部外品と美白の関係を知って…
医薬部外品とその美白効果についてご紹介させていただきました。
医薬部外品とは簡単に言えば医薬品と化粧品の中間に存在するもので、身体に対しての作用が穏やかなのが特徴です。
普通の化粧品よりも有効成分が配合されている分、効果があります。
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