皆さんはカサカサなお肌である乾燥肌に悩まされていませんか?
ヒリヒリ痛かったり、痒かったりといった症状は病気ではないですが、十分苦しいですよね。
そうした場合はどのように治していけば良いのでしょうか。
化粧品でもいいですが、乾燥肌を医学の視点から見てみませんか。
今回は乾燥肌に効果のある医薬品について見ていきます。
乾燥肌に効果のある医薬品の成分とは
まず、医薬品の定義とは人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているものです。
あるいは、身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物です。
では、乾燥肌を改善させる医薬品にはどのような特徴があるのでしょうか。
「基材」が必要
乾燥肌に使われる形態の医薬品には次のような物があります。
- ローション
- かゆみ止めクリームや軟膏
- ハンドクリーム
それぞれ塗り心地や保湿力が異なります。
これを「基材」といい、基材にさまざまな成分を溶かして製品の特長が決まるのです。
- 油っぽく、ワセリンのようにべとつくが水で流れないため、長持ちし保湿力が高い
- 不純物が少ないので、刺激性も少なくかぶれもほとんど起きにくい
- 伸びが良く、しっとりして保湿力が強い
- 最も多く使われる基材で顔よりも体に塗るものが多い
- さらさらしていて伸びが良く塗りやすい
- 顔用に適しているが、頭にも塗ることが出来る
医薬品の成分とは
尿素
皮膚の角質層で天然保湿成分の働きがあるとされる成分です。
角質層を柔軟にする効果や保湿効果があります。
尿というと、ちょっと汚れたイメージがあるかもしれませんが、色々なものに使われています。
人間を含む動物はタンパク質などの窒素化合物を取り入れた後で不要になったものを排泄していますが、その中の1種として放出されるのが尿素なのです。
尿素はアミノ酸の1種であるアルギニンが酵素の力によって変換した結果、生まれてくるアミノ酸代謝物です。
これが水素の力を利用して水分をくっ付きます。
そうすることで、角質タンパクを柔軟にさせる働きをしてくれます。
ですので、尿素のある物を塗っておけば水分を捕まえてお肌の保湿になるのです。
他には余計な角質を除去する働きも見せてくれるので、カサカサな角質を取り除いてツルツルした肌を作る一役を買ってくれます。
ヒビやカサカサの老人性乾燥肌の方、水仕事で湿疹の方など色々な方におすすめです。
但し健康な肌になっても、尿素を使い続けていると逆にターンオーバーを早めてしまうというデメリットもあるようです。
ヘパリン類似物質
ヘパリン類似物質は保湿や保水、抗炎症から血行促進まで多種多様な効果があり、とてもお得な成分でもあります。
人間の肝臓で生成されるヘパリンに似た類似物質です。
お肌の奥へ浸透するほどの影響があり、基底層まで浸透します。
乾燥肌の場合、お肌の奥まで乱れてしまっていることがありますが、ヘパリン類似物質を取り入れるとその奥で細胞の修復を補佐して乾燥肌を助けてくれます。
副作用があまりなく、トラブルが稀なのも利点ですね。
ワセリン
ワセリンは黄色ワセリン、白色ワセリン、プロペド、サンホワイトなどの種類がありますが、白色ワセリンから医療用として利用されています。

黄色ワセリンを精製したのが白色ワセリンで、それを更に精製したのがプロペド、そしてそれを更に精製したのがサンホワイトです。
後ろに行くほど不純物がなく純度が高いです。
サンホワイトは赤ちゃんのような特に弱い肌の方のためなどに使われるため、保険適用外です。
黄色ワセリンはヴァセリンとして販売されていることもあります。
保湿や乾燥肌以外にも傷口などの防護剤にもすることが出来、刺激もあまりありません。
セラミド
化粧品やサプリメント、食べ物にも含まれている成分になりますが、医薬品の分野でも使われている成分でもあります。
セラミドは細胞間脂質の構成成分で、肌のバリア機能の維持に重要な役割を果たしています。
乾燥から肌を守るために医薬品にも使われています。
セラミドには英数字ごとに効能が分かれていますが、そのうちのセラミド2・セラミド3が乾燥肌ケア用品で使われているセラミドだそうです。
セラミド2 | お肌の角質層を強力に保水する働き |
セラミド3 | しっかり水分の保持をしながら、シワを浅くして減少させる働き |
グリセリン
吸水性が高く、保湿効果のために幅広く配合されている成分です。
化粧品にも使われていますね。
肌へのなじみや感触の調整のためにも使われる原料です。
グリセリンは水に溶けやすい成分なので、保湿剤に使われる際は感触が重くべとつくと感じるかもしれません。
その特徴を生かして「皮脂欠乏症」の方に非常におすすめの成分のようです。
あとは化粧品で使われる美容成分であるヒアルロン酸(ヒアルロン酸Na)やコラーゲン(加水分解コラーゲン液)も、医薬品の成分として配合されている物もあります。
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乾燥肌をよくする医薬品の選び方
まず、肌の保湿としてはヘパリン類似物質や尿素がおすすめです。
保湿成分はセラミドやワセリンが有名ですが、乾燥肌が深刻だったり、かゆみが起きていればヘパリン類似物質や尿素です。
これらは保湿だけでなく、血行促進や抗炎症作用にも期待が出来ますし、尿素は皮膚の厚い部分や乾燥でガサガサになって硬くなった部分にも最適で、角質を柔らかくしてくれます。
そして、乾燥肌がもっと進んで掻きすぎてひっかき傷ができてしまっている場合は、かゆみ止めの部分が必要になります。
パンテノール(荒れてしまった肌の修復効果)やグリチルレチン酸(抗炎症作用)配合のものがおすすめです。
あとは何といっても自分の好みに合うテクスチャーの物を選びましょう。
冒頭でも紹介したように「保湿剤」には基材があります。
ですが、さらさらしているので冬はおすすめできないかもしれません。
伸びが良く保湿力も強いですが、ローションタイプよりべとつきますから、顔に付けるのは抵抗を感じるかもしれません。
それに肌質には個人差がありますが、ニキビが出来やすいオイリー肌の方はべとつきの強い保湿剤を使うとかえってニキビが出来やすくなるかと思われます。
クリームやローションに比べて不純物が少ないので刺激性が少なく、かぶれもほとんど気にする必要がないのがメリットです。
しかし、べとつきが強い基材なので広範囲に塗るのには不向きです。
ただ、目に入ってもしみないのでまぶたの乾燥に使ったり、唇のリップ代わりにもなります。
赤ちゃんのおむつかぶれの予防にも使用できる基材ですね。
製品の中には肌に合わず、皮脂を取り過ぎてしまうものもありますから、ご自身の肌に合った物を選びましょう。
肌の状態は人それぞれなので、サンプルやトライアルキットが用意されていればお試しで使ってみるのが有効です。
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乾燥肌をよくする医薬品の使い方
今回は「医薬品」がテーマですので、皮膚科や医学の目線からも使い方を見ていきましょう。
どんなケア製品も自己流の使い方では効果が半減してしまいます。
使用する際は手順や使用量が書かれた説明書をよく読んだり、専門の医師や薬剤師の方に使い方を聞きながら使ってみましょう。
「医薬品」ですから、必要な量を必要な期間で使いましょう。
自己判断でやめると、炎症が再び起こりやすくなってしまう可能性があります。
そうなると炎症の度合いにより、もっと強い薬が必要になったり、かえって長い間薬が手放せなくなる事態に陥るやもしれません。
使用のタイミングで一番おすすめなのは入浴後すぐです。
この「すぐ」というタイミングは、入浴では天然保湿因子(お肌の表皮の角質細胞内にある水分を保持する働きをする成分)が流れ出てしまうから「すぐ」なのです。
このときに肌から相当の量の水分が逃げてしまいますので、速やかに(なるべく10分以内)保湿剤を塗るようにしましょう。
そういったところに保湿剤を手に取り、該当する部位に塗ってください。
もし乾燥肌の症状が強いのなら、肌の表面が荒れてしまっていることもありますから、通常の量では肝心な部分の量が足りなくなるかもしれません。
その場合は追加なり、多めに取ってしっかり塗るようにしましょう。
擦り込むと物理的刺激になって赤くなったり、痒くなったりしますし、炎症が起こっている肝心な場所に薬が薄くなるので、決して擦り込まないようにしましょう。
乾燥肌に悩まれているなら、保湿剤を少なくとも1日2~3回は塗った方が良いでしょう。
とはいえ、これも製品によって使用頻度が違ってきますので、よく説明書をお読みになって使用してくださいね。
乾燥肌の対策では皮膚を清潔に保ち、皮膚のバリア機能を正常に保てるようなスキンケアが大事です。
洗顔する時は、洗顔料を手や泡立てネットで泡立てて、その泡で優しく円を描きながら洗いましょう。
体を洗う際も硬いナイロンタオルなどは使わず、スポンジやネットで泡立ててから、こちらも泡で優しく洗いましょう。
場合によっては手で洗っても良いでしょう。
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乾燥肌をよくする医薬品は慎重に扱って
今回は乾燥肌のスキンケアとして「医薬品」の観点から見てきました。
医薬品といっても保湿剤を中心とした外用薬の話です。
ここでは紹介しきれないくらい、医薬品にはさまざまな成分が使われています。
そして、医薬品には「基材」によって、薬の濃さや特徴が変わってきます。
乾燥肌による肌トラブルが起きた時は、皮膚科なりドラッグストアなりで改善できそうな医薬品を手に取ることも良い解決策です。
しかし、医薬品ですからその際は選び方や使用方法をよく調べて使っていただけたらなと思います。
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