年間を通じて悩まされる乾燥肌。
スキンケアなど、外側からのアプローチで対処する方法もありますが、内側からもアプローチしてみませんか。
今回は食生活で改善できないかという視点で、どのような栄養素がお肌にいいか、それらが含まれる食べ物、そしてレシピなどをご紹介してみたいと思います。
Contents
乾燥肌の原因
肌の水分や皮脂が不足している状態を乾燥肌といいます。
角層というのが肌の一番外側にあるのですが、この角層にはバリア機能というものが備わっていて、この機能が肌の水分が蒸発してしまうのを防いでいます。
このバリア機能の低下は乾燥肌の大きな一因です。
その原因として考えられるものをいくつかご紹介します。
ターンオーバーの乱れ
肌というのは一定のサイクルで生まれ変わっており、この肌が入れ替わるサイクルをターンオーバーと呼びます。
このターンオーバーが乱れることでバリア機能が低下し、乾燥肌を引き起こしてしまいます。
どのような原因でターンオーバーが乱れてしまうかというと

エアコン
夏は湿度が高く蒸し暑いので、お肌が潤うような気がしますが、夏でも肌は乾燥してしまいます。
なぜかというと、それはエアコンです。
エアコンの風に直接当たったり、エアコンが室内を乾燥させてしまったり、また、エアコンの冷えによって体が冷え代謝が下がってしまうからです。
紫外線
お肌の水分蒸発を防いでいる角層が紫外線を浴びることで、バリア機能が低下してしまいます。
特に、UVBが肌に与えるダメージは大きく、角質層から水分を奪ってしまいます。
この3つを全部あわせて3大保湿因子と呼ばれていて、3大保湿因子がベストなバランスを保つことでキメの整ったすこやかな肌状態がキープされるのです。
辞書によると、保湿成分とは「皮膚や毛髪の水分を保持し、乾燥を防ぐ作用のある物質」とあります。
水分が足りないからと言って外から補っても、水分はすぐに蒸発してしまいます。
もちろん、外から水分を補うことも大切なことですが、本質的に求めることは体内からの水分をお肌に閉じ込めて保つということです。
前記の3大保湿因子ですが、この3つの要素はそれぞれ角層の中で役割が異なり、どれも重要です。
①皮脂膜は肌の表面の膜として、水分の蒸発を防いでいます。
②天然保湿因子(NMF)は角質細胞にあり、その役半分はアミノ酸で出来ています。役割は水分を含み、そして保持することです。
③細胞間脂質は角質細胞同士を繋ぎます。セラミドやコレステロール、遊離脂肪酸といった成分で構成されます。この細胞間脂質の役割は水分を留めることで、また、天然保湿因子を安定させてもいます。
この一連の機能を「バリア機能」と呼んでいます。
その働きはセラミドが約80%、天然保湿因子が17~18%、皮脂が2~3%の水分を守っているとされています。
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乾燥肌を改善する栄養素とは
お肌を正常化させるのに効果的な栄養素をご紹介しましょう。
タンパク質
タンパク質は体内でアミノ酸に分解されます。
その後、アミノ酸は体内で再び合成されて、肌の弾力を支える役割のあるコラーゲンが作られます。
そのために、タンパク質が不足してしまうとコラーゲンの産生もストップしてしまうことになります。
タンパク質は肉、魚介類に含まれる「動物性」、大豆やナッツ類などに含まれる「植物性」の2種類があります。
また、タンパク質は約20種類のアミノ酸で構成されてますが、動物性のタンパク質を構成しているアミノ酸バランスは、人間が必要としているアミノ酸の割合に近いです。
その一方で、植物性タンパク質は人間に必要な必須アミノ酸の一部が含まれていないために、植物性タンパク質だけの摂取ではアミノ酸のバランスが悪くなってしまうのです。
だからといって肉や魚ばかりを食べていては脂質が増えてしまうことになるので、動物性も植物性もバランス良く取り入れることが大切になってきます。
ビタミンA
ビタミンAは正常な細胞分裂をするのに必要です。
また、紫外線からの肌へのダメージなどを防ぐ力もあると言われています。
でも、紫外線から肌を守ったビタミンAはそのダメージで破壊されてしまい、細胞分裂を助ける働きはできていないのです。
ビタミンAは日中からどんどん消費されていくのです。
ですので、しっかりと補給してあげることが必要になってきます。
ビタミンB群

ビタミンB群は8種類のビタミンの総称です。
それぞれに特性があり、バランス良く摂取することで高い効果を発揮します。
美肌づくりに特に効果的なのは以下の3つです。
ビタミンB2
美容ビタミンとも呼ばれている、美肌に欠かせないビタミンです。
新陳代謝を促進して肌や粘膜などを健康に保つ効果があるのです。
運動や夜更かしなど、甘い物を食べ過ぎた後などにも大量に消費されてしまうので、その際には意識して摂取すると良いでしょう。
また、飲酒にはビタミンB2の吸収を妨げる作用があるので注意が必要です。
ビタミンB6
アミノ酸とタンパク質の代謝を助ける「補酵素」として働きます。
免疫力を高める効果もあり、健康な皮膚、髪などの成長も促進します。
ビタミンB6をきちんと摂取することにより、食べたタンパク質が効率良く吸収されることになり肌が丈夫になる効果もあります。
パントテン酸(ビタミンB5)
コラーゲンの生成を助けるビタミンCの働きを助ける効果があります。
不足すると肌荒れなどの症状が出ますが、普段口にする様々な食品に含まれるので、余程の偏食でない限り意識しなくても不足することはほとんどないでしょう。
ビタミンC
ビタミンCは真皮に働きかけて、コラーゲン、ヒアルロン酸の生成を促す効果があるのです。
皮膚だけでなくて粘膜や血管にも作用するために、全身がビタミンCを欲していると言えるかもしれません。
たくさん摂ったつもりでいても全身で消費されてしまうので、肌へと届くのはほんの一部です。
そのため意識して摂取する必要があるビタミンなのです。
不足してしまうと、コラーゲンの生成がうまくいかなくなり、肌トラブルの原因にもなるのです。
ビタミンB群同様に水溶性ビタミンであり、調理の際に水につけすぎないようにすると良いでしょう。
ビタミンE
ビタミンEは、皮膚の血行促進や角質硬化などを防止する効果もあります。
皮膚の血行が良くなるにつれて栄養が隅々まで行き渡るので、他のビタミンの効果が高くなって相乗効果が見込めるビタミンなのです。
亜鉛
必須ミネラルの一つであり生物の成長に欠かせないので、潜在的に日本人が不足しやすいミネラルの一つです。
細胞分裂を助けたり、新陳代謝を活発化させる効果もあります。
コラーゲンの合成を促進するので、亜鉛無しでは健康な肌はないでしょう。
お肌の万能ケア栄養素はビタミン!ビタミンでニキビ・吹き出物知らずになる方法とは
ビタミンの様々な美容効果を多く含む食品
ビタミンA | レバー、うなぎなどにに多く含まれています。 にんじん、カボチャなどの緑黄色野菜に含まれているベータカロテンも体内でビタミンAに変換されるので、是非たくさん摂取するようにすると良いでしょう。 |
ビタミンB2 | 豚や牛のレバー、ベーコン、牛乳、チーズ、卵、納豆、緑黄色野菜などにも多く含まれています。 |
ビタミンB6 | 玄米や鶏ささみ、マグロやかつお、さんま、にんにくや赤ピーマンなどに多く含まれています。 |
パントテン酸 | 牛肉や鶏肉、魚肉、牛乳、大豆、ビーナッツなどに多く含まれます。 |
ビタミンC | 赤や黄色のピーマン、パセリ、ブロッコリー、キウイ、柿、イチゴ、レモンなどにも多く含まれていると言われています。 |
ビタミンE | ナッツ類や緑黄色野菜、魚卵、レバーなどに多く含まれているのです。 比較的、カロリーの高い食品などに含まれている傾向があるので、上手に野菜と組み合わせて摂取するのようにしましょう。 |
亜鉛 | 牡蠣やニシン、甲殻類、赤みの肉、レバー、チーズなどに多く含まれているのです。 ビタミンCやクエン酸と一緒に摂取することにより吸収率が高まるので、オススメの方法です。 |
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乾燥肌に効く食品とそれを使った料理レシピ
ビタミンとお肌の生成に欠かせないタンパク質、オレイン酸などを含んだ豚キムチをご紹介します。

材料
材料は、豚肉150g、キムチ50g、卵1個、粉末の鰹だし小さじ1/2、油適量を用意します。
作り方
①粉末の鰹だしと卵をしっかり混ぜ合わせます。
②強火で温めたフライパンに上記の混ぜ合わせた卵を入れほどよく加熱します。別皿に置いておきます。
③同じフライパンで肉を炒めます。
④肉に半分色がついたらキムチを入れます。しっかりと豚肉が色づくまで炒めます。
⑤「②」の卵を加え、混ぜ合わせます。
⑥彩りを考えて緑のものを入れてもいいです。
肌がカサカサお困りの方にはヨーグルトの出番!ヨーグルトは乾燥肌の助けになる!?
乾燥肌を改善する飲み物とは
乾燥肌に特別よく効くと言われる飲み物は聞きませんが、お肌にいいとされる飲み物は結構あります。
最後にそれらをご紹介したいと思います。
豆乳
女性ホルモンに働きかける効果があるイソフラボンが注目されましたが、豆乳は加えてカルシウムやタンパク質も豊富でお肌にもいいですね。
ローズヒップティー

ローズヒップティーにはビタミンCがレモンの20倍と言われています。
また、カルシウムは牛乳の9倍で、βカロチンや鉄分なども多く含んでいます。
ウーロン茶
お肌にダメージを与える「酸化」ですが、ウーロン茶は抗酸化作用のある飲み物なのです。
体の中から乾燥肌対策
いかがでしたでしょうか。
乾燥肌に年間を通じて悩んでいる方もいるかと思います。
どのような食べ物、栄養素がお肌にいいかを見てきました。
やはり欠かせなかったのはビタミン類でした。
意外だったのが、飲み物にもお肌にいいものがあるということでした。
食べ物や飲み物は毎日摂るものですから、少し気を付ければお肌によいことが出来ることができますね。
スキンケアももちろん大切ですが、体の中からも乾燥肌にアプローチし健肌を目指していただければ幸いです。
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