プラセンタという単語を一度は見聞きしたことがあると思います。
古くから現在にかけて、さまざまな形で美容分野に使われている栄養豊富な美肌成分のひとつです。
そんなプラセンタが、アトピー性皮膚炎にも効果があるということはご存じでしょうか。
今回はプラセンタとアトピー性皮膚炎の繋がりについて調べてみました。
プラセンタとは
プラセンタ(placenta)は哺乳動物の胎盤を意味しています。
種類によりますが、五大栄養素・成長因子・酵素などを豊富に含んでいる栄養の宝庫です。
2000年以上前から中国の皇帝たちをはじめ、さまざまなところで重宝されてきました。
プラセンタの中でも現在有名なのはこの5種類です。
豚プラセンタ | 最もよく出回っているプラセンタです。 年2回で10頭前後出産するため、大量の胎盤を採取することができるのです。 |
馬プラセンタ | 特にアミノ酸が豊富に含まれているプラセンタです。 主にサラブレッドから抽出され、希少価値は少々高めです。 |
羊プラセンタ | 欧米・北米で人気が高いプラセンタです。 日本では狂牛病問題以降、流通量が極端に減りました。 |
海洋性プラセンタ | 厳密には胎盤ではなく、魚の卵を包む卵巣膜です。 アミノ酸・ヒアルロン酸・コラーゲンなどが豊富です。 |
植物性プラセンタ | 胎盤ではなく植物の胎座(メロンの種の周辺部分)を使用したものです。 動物性のものと同様、アミノ酸・ビタミン・ミネラルが多く含まれています。 |
胎児を守り成長に重要な働きをする胎盤の成分には多くの作用が期待できます。
現在では研究が進んで、更年期障害・肝疾患・乳汁分泌不全の治療にも役立っています。
プラセンタは心・体・肌への幅広い作用が期待できます。
- 疲労回復
- 滋養強壮
- 虚弱体質の改善
- 不妊症の改善
- 抗炎症作用
- 抗ストレス作用
- 基礎代謝の向上
- 内分泌の調整
- 自律神経の調整
- 強肝・解毒作用 など
さらに特筆すべき美肌作用として血行促進・抗酸化・線維芽細胞増殖作用があります。
血行促進作用

血行を促進することで、細胞の1つ1つへと栄養が届きやすくなります。
肌の細胞にも栄養が行き届くようになってターンオーバーを促進します。
古い細胞を新しく元気な細胞に取り替えて、美肌をキープしてくれるのです。
また、血行が遅くなることで発生する老廃物の滞りも解消します。
肌に老廃物が溜まることで発生するくすみやむくみを予防・改善します。
抗酸化作用
紫外線やストレスなどによって発生する活性酸素は肌にダメージを与えます。
特に紫外線を直接受けやすい顔まわりは、活性酸素による影響を受けやすい部位です。
活性酸素が細胞を攻撃すると、シミやシワ・たるみといった肌トラブルが発生します。
プラセンタの抗酸化作用は活性酸素を除去する力があり、活性酸素によってできる肌トラブルの予防や改善が期待できます。
線維芽細胞増殖作用
肌の真皮層に存在する線維芽細胞は、肌をうるおいに関わるヒアルロン酸、肌のハリや弾力を生み出すコラーゲン・エラスチンといった成分を生成する重要な細胞です。
ところが、線維芽細胞の増殖は20代後半から衰えはじめ、30代になると衰退に拍車がかかります。
プラセンタには線維芽細胞の増殖を促す働きがあり、衰えを緩やかにすることでアンチエイジングが期待できます。
30代頃からに失われがちな肌のうるおい・ハリ・弾力をサポートしてくれるのです。
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アトピー性皮膚炎って何?

アトピー性皮膚炎はかゆみのある湿疹が主な症状の皮膚の病気です。
良くなったと思っても何度も再発してなかなか治らないのが特徴です。
一般的に半年(乳幼児は2ヶ月)以上、症状が続きます。
アトピー性皮膚炎でできる湿疹の特徴
再発を繰り返して慢性化する湿疹には、できる場所と状態に特徴があります。
場所 |
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状態 |
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アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎は免疫作用のアレルギー反応(過剰反応)が原因です。
アレルギー反応は免疫が不安定になることで発生する、システムのエラーのようなものです。
多くの場合、アレルギー体質やバリア機能の低下によって引き起こされます。
アレルギー体質
アレルギー体質はアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を連鎖的に引き起こすことがあります。
そのため、喘息・花粉症・食物アレルギーなどを持っている方は発症する可能性があります。
また、家族がそういった体質を持つ場合も遺伝によって原因となり得ます。
バリア機能の低下
皮膚はバリア機能である表面の皮脂膜や角質層の細胞間脂質などによって、外部からの刺激の侵入や水分の蒸発を防いでいます。
この機能が低下してしまうと、肌は乾燥して外的刺激の侵入に弱くなります。
外部から細菌などが侵入すると、免疫システムが対応して撃退してくれます。
しかし、そこでアレルギー反応が起こって攻撃する必要がない細胞にまでダメージを与えると、炎症が出て皮膚炎の症状が現れるのです。
- ダニ、カビ、ほこりなどのハウスダスト
- 引っ掻く、擦るなど物理的な刺激
- 化粧品、金属、消毒薬などの化学物質
- 汗や皮脂などの皮膚の汚れ
- 紫外線
- ストレスや疲労 など
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アトピー性皮膚炎の様々な治療法
アトピー性皮膚炎の治療法には多くの選択肢があります。
現在行われているのは、塗り薬・飲み薬・注射剤・保湿剤を用いた治療法です。
塗り薬

アレルギー反応を抑える成分を含んだ外用薬(軟膏など)による治療法です。
使われる成分は2種類に分かれます。
ステロイド外用薬 | 強い作用で免疫反応を抑えます。 副作用を防ぐために医師が指示する量と期間を守ることが重要です。 |
免疫抑制外用薬 | 比較的穏やかな作用で免疫反応を抑えます。 ステロイドの副作用が不安な場合・ステロイドの効果が十分に出ない場合・ステロイドで炎症が落ち着いてきた場合など幅広く使われます。 |
飲み薬

内服薬(錠剤・カプセル)を服用する治療法です。
飲み薬の成分は3つのタイプに分けられます。
抗ヒスタミン薬 | かゆみ止めや症状の悪化を防ぐために使われます。 花粉症・じんましんなど他のアレルギーに使われるものとほぼ同じです。 |
ステロイド剤 | 塗り薬で対応しきれない場合に服用します。 非常に強力で臓器への負荷も大きいため、短期間の使用にとどめられます。 |
免疫抑制薬 | 強い炎症が広範囲に起きている場合などに使われます。 最大3ヶ月の服用後は休薬期間を設ける必要があります。 服用中は血圧の上昇・腎機能の低下に注意が必要です。 |
注射剤

全身の広範囲に強い炎症の湿疹を起こしており、塗り薬や飲み薬では効果が得られなかった成人済の患者に用いられることがあります。
アレルギー反応に関わりアトピー性皮膚炎を引き起こすとされる、IL(インターロイキン)-4・IL-13の過剰な反応を抑制します。
塗り薬(外用薬)を用いた治療法と併用されることがほとんどです。
保湿剤

皮膚の乾燥はアトピー性皮膚炎を悪化させたり治りにくくしたりします。
肌のうるおいを保つために使われるのが保湿剤です。
ローション・クリーム・軟膏など剤形はさまざまで、肌の水分やセラミドを補うもの・ワセリンなどの油分で水分の蒸発を抑えるものなど複数のタイプがあります。
いずれも保湿効果や使用感が異なるので、医師と相談しながら自分の皮膚に合ったものを選ぶことが大切です。
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プラセンタを使ったアトピー性皮膚炎の治療法
プラセンタとアトピー性皮膚炎をそれぞれ見てきたところで、その治療法を見ていきます。
一見繋がりが見えない2つですが、プラセンタの作用を見ていくことで疑問は解消できます。
プラセンタとアトピー性皮膚炎の関係性
プラセンタに血行促進・抗酸化・線維芽細胞増殖の作用があるのは先述のとおりです。
それぞれ作用によって期待できる効果がこちらです。
血行促進作用 | 皮膚炎が慢性化することで、肌はごわついて跡になってしまいます。 ターンオーバーを促すことで、荒れた肌を整えることが期待できます。 |
抗酸化作用 | 活性酸素にはアレルギー反応を活性化させる働きもあります。 活性酸素を除去することで過剰反応を抑えることが期待できます。 |
線維芽細胞増殖作用 | バリア機能が低下するのがアトピー性皮膚炎の原因のひとつです。 肌の土台を作ってうるおいある健やかな肌作りをサポートすることで、炎症の緩和が期待できます。 |
さらに、抗ストレス作用や自律神経調整作用もあるため免疫力の調整も見込めます。
ストレスや自律神経の乱れを緩和することは、アレルギーへのアプローチにもなるのです。
プラセンタによる治療法
プラセンタを使ったアトピー性皮膚炎の治療も幅広い方法があります。
ここで挙げるのはほんのわずかな例に過ぎません。
症状の重度にもよりますが、いずれの方法でもアトピー性皮膚炎の改善が見られています。
医師と相談して自分に合ったものを処方してもらうか、勧めてもらいましょう。
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プラセンタは命と肌の母
今回はプラセンタとアトピー性皮膚炎の繋がりについて見てきました。
プラセンタは栄養豊富な胎盤由来の成分で、万能薬と言ってもいいくらい幅広い効果があります。
アトピー性皮膚炎はアレルギー反応によって起こるトラブルのひとつでした。
主な原因はアレルギー体質と肌のバリア機能の低下で、治療にはアレルギー反応を抑えて肌をうるおし続ける必要があります。
そんなアトピー性皮膚炎の抑制が期待できるのがプラセンタです。
アレルギー反応を抑えて肌質の改善まで行ってしまうという驚異的な成分です。
胎盤由来のプラセンタは命だけでなく、肌をも育む母なのです。

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