乾燥する季節になると、肌荒れが気になることが増えてきます。
その中でも荒れやすい手ですが、そもそも手荒れが起こる原因をご存知でしょうか?
今回は手荒れの原因と対策についてご紹介します。
Contents
手の肌荒れの原因
手の肌荒れの原因として考えられるのが、まず空気の乾燥です。
冬になると手荒れが多くなるのは、気温が下がって空気が乾燥することにより、手の水分が蒸発しやすくなってしまうためになります。
また、手や指が冷えて血液の循環や代謝が鈍くなることで、角層が硬くなるのも手荒れの原因です。
皮膚の構造
皮膚には最表層に皮脂膜という、皮脂と油が混ざった膜で覆われている角質層が存在します。
角質層には角質細胞間を埋める脂質や天然の保湿因子が含まれています。
それらの物質が水分を保持することで、皮膚の潤いが保たれているのです。
私たちの全身を覆っている皮膚の中でも、指先は皮脂を分泌して乾燥を防ぐ皮脂腺の脂腺が少なく、乾燥を起こしやすいです。
その乾燥を防ぐために、厚い角質層で保護されているという特徴があります。
なぜ手荒れが起こるのか?
皮膚の仕組みが分かったところでなぜ手荒れが起こってしまうかご説明します。
水仕事などで使用する石鹸や洗剤などは、皮脂膜などの指先の皮脂や油まで取り除いてしまい、指先に負荷を掛けます。
夏場でもこのせっけんや洗剤などで指先の皮脂や油が取り除かれてしまった状態は、指先や手にとってあまりいい状態とは言えません。
冬場であれば夏場に比べて空気が乾燥しています。
その乾燥した空気と皮脂や油が取り除かれてしまった手が触れることにより、角質層の水分が失われ、手荒れが起こります。
正常な状態の手であれば、皮脂膜や角質細胞間の脂質、天然の保湿因子などが固まって表皮にバリアを作っているような状態になっているため、水分保持が出来ています。
ですが、手荒れの状態になると角質細胞が剥がれてしまい、皮脂膜、角質細胞間の脂質や天然の保湿因子が減少してしまいます。
すると、バリアに穴が開いたような状態となり、水分保持が出来なくなり、水分が逃げて手荒れを起こします。
なぜ水仕事が手荒れに影響するのか?
手荒れを起こしやすい人の特徴として、手先を使うなど、指先に負担が掛かりやすい仕事に就いている人に多く発症が見られます。
食器洗いをする主婦や段ボールを扱う配送業の配送員などが、この指先に負荷が掛かりやすい仕事をしている人たちに含まれます。
手の表面は先ほど述べた角質層と呼ばれる組織で出来ており、この角質層は一番上に皮脂膜、その下に角質層というバリアで2重に覆われています。
このバリアが水に長時間触れ続けることによって剥がれ落ちてしまい、手荒れに繋がります。
手に付着した水が蒸発をする際、角質層にある水分も一緒に蒸発をしてしまうため、水に触れるだけでも手の部位の乾燥は進行します。
また、水を使う際、水を使って洗い物をするよりも、お湯を使って洗い物をするほうが角質層をつなぎ合わせる脂質を洗い流してしまいます。
水よりもお湯を使うほうが皿に付着した油汚れを落としやすいという点からも納得です。
手荒れにならないためにすぐにでもできる予防法とは
できることなら手荒れは防ぎたいですよね。
どうしたら防げるのでしょうか。
手荒れ注意期とは
手荒れの初期症状として、手のひらや指先にかさつきを感じるようになります。
この状態は手荒れ注意期と呼ばれる状態です。
ひび割れ、あかぎれまでとはいかなくとも、このかさつきに対して自覚がある時点でケアをすることが重要になってきます。
水を使う仕事をする場合、使用する洗剤は洗浄力が高すぎる商品を使うのを控えたり、食器洗いの際にはゴム手袋を着用することをおすすめします。
配送業に従事している方も同様に、軍手や作業着の販売所などで販売されている専用の手袋などを着用することによって、手の指先の乾燥などを防ぐことが出来ます。
また、家事や作業、業務が終わったら、作業用の手袋を外し、ハンドクリームなどで保湿するようにしましょう。
乾燥には保湿が基本
乾燥の進行が軽度であればこの対策法で十分対処が出来ますが、乾燥が進行し、重度になってしまうと、これだけではケアが足りなくなります。
重度の乾燥によるひび割れやあかぎれには、ビタミン系のクリームを塗ってから就寝するなどのケアをしましょう。
こういったクリームにはビタミンE系の成分が多く含まれるため、血行の促進や肌荒れの改善効果があります。
逆に、ひび割れやあかぎれがひどい場合には、尿素配合クリームを使用するのは控えましょう。
これは尿素の刺激が強いため、手に染みて痛みが発生するだけではなく、乾燥も更に悪化させてしまう危険性があり、逆効果になってしまいます。
まずは先にひび割れやあかぎれを治すところから始めましょう。
ハンドクリームを塗った後に手袋をして就寝はNG?
就寝時に手袋をすると手荒れに有効という話がありますが、この行為は手荒れに対しては完全に良い方法であるとは言い切れません。
ハンドクリームを塗って手袋をはめて寝ればそれで完了というわけでもなく、正しい方法が存在します。
ここで重要になってくるのが、「ひび割れやあかぎれの手荒れ改善に有効な、保湿に優れた成分が配合されているハンドクリーム」であるということです。
前述した、ビタミンE系の成分が多く配合されたハンドクリームを選ぶのが望ましいです。
また、就寝前にはめる手袋も、「通気性に優れた木綿の手袋」であることも重要なポイントになってきます。
これらを就寝時に併用することで、手荒れ改善に効果を発揮します。
手荒れにハンドクリームは効果があるのか
手荒れに対してハンドクリームは効果があるといえますが、一概にハンドクリームと言ってもどれも同じ効果ではありません。
手荒れの症状に合っていないハンドクリームを使ってしまうと刺激が強くて痛みが出たり、手荒れが余計に悪化することもあります。
- まず、ハンドクリームの使い方の大前提として、肌のコンディションを良好な状態へと整えておくのが重要なポイントです。
- ハンドクリームを塗る前には、手首を含めた手の部位全体になじむように化粧水を使って保湿をします。
- ハンドクリームの正しい使い方は、しっかりと両手にまんべんなく広げて塗っていくという点です。
- 塗るときにムラが出来ないように塗ることや、指同士の間にもハンドクリームを忘れずに塗るようにしましょう。
ハンドクリームの成分
ハンドクリームの中に含まれている成分は主にこのようになります。
この中では更に「保湿効果のある成分」と「美白効果のある成分」に分かれます。保湿効果のある成分
まずは保湿効果のある成分からです。
尿素
保湿効果のある成分としてポピュラーなものが尿素です。
尿素は水になじみやすい成分で、蒸発してしまう水分を肌の中へ留まらせることにより、乾燥を防ぐ役割を持ちます。
乾燥を防ぐだけでなく、硬くなった肌や皮膚を柔らかくする効果も持ち、角質化した足のかかとの部位などに塗っても高い効果を発揮します。
しかしながら、尿素は刺激の強い成分のため、ひび割れやあかぎれを起こした部位に使用するのはおすすめできません。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、ほぼすべてのハンドクリームに配合されている成分であり、ハンドクリームなどの化粧品にとって欠かすことのできない重要な成分であるといえます。
ヒアルロン酸が1gだとして、保持できる水分の量は6リットルであり、非常に優れた保湿能力を有しています。
また、化粧品原料としてのヒアルロン酸は、安定性・安全性の高い高分子の保湿成分であり、化粧品にはヒアルロン酸ナトリウムという形態で配合されています。
油分とはまた異なる潤いの質感を引き出すことが出来る成分で、肌馴染みも良く、角質層の水分量を増やしながら、保護膜を形成してくれる成分です。
この成分は油分と組み合わさることにより、より高い保湿効果や角質を柔らかくする効果を発揮することが出来ます。
ワセリン
ワセリンは滑り止めに利用されている成分で、肌に塗ると肌の表面に油分の膜を作ることにより、角質層の水分の蒸発を防ぐ効果を期待できます。
外部の刺激からも皮膚を保護する働きをし、ボクシングなどでもグローブと肌の接触などで顔を切るのを防いだり、相手のパンチを滑らせてダメージを軽減するのなどに使用されます。
グリセリン
グリセリンは無色透明の液体で、粘り気が強いのが特徴的です。
パーム油などの植物の油脂を原料とした天然の素材が由来の天然グリセリンと、石油などを原料とした合成グリセリンが存在します。
いずれも高い吸湿力を持っており、化粧品には保湿成分として使用されています。
こちらも角質層に潤いを与え、肌荒れを防止、抑制する効果を持ちます。
美白効果のある成分
次は美白効果のある成分を見ていきましょう。
セラミド
セラミドは角質層の細胞と細胞の間にある脂質成分であり、水分が肌から逃げて蒸発するのを防止したり、保湿、細菌の外部刺激から肌を保護するバリア機能を有する重要な成分です。
メラニンの合成を阻止し、シミやシワが皮膚に発生する働きがセラミドにあるため、美白効果も高い成分です。
プラセンタエキス
プラセンタエキスは主に豚や馬などの哺乳類の胎盤、プラセンタを原料として抽出された成分であり、アミノ酸やミネラル、酵素、ムコ多糖類などの栄養素が豊富に含まれています。
体内、体外問わずに効果を発揮し、美白と美容に効果のある成分として親しまれています。
肌のターンオーバーを促進し、細胞の活性化を促す作用が働くことによって、血行を改善させて真皮組織の機能を高める効果をもたらし、肌にハリやツヤを与えます。
ビタミン
主に緑黄色野菜などに多く含まれている成分で、肌のターンオーバーを高める働きに期待出来ます。
これによりターンオーバーを高め、肌に潤いを与える効果が期待できます。
この効果は手のひび割れやあかぎれなどに対して有効です。
手荒れに効くハンドクリームの選び方のポイント
合わないハンドクリームを使って手荒れが悪化してしまった、ということはありませんでしたか?
経験してしまった方もそうでない方も痛い思いをする前に、ハンドクリームを購入する時に押さえておくと良いポイントをご紹介します。
ハンドクリームの選び方
ハンドクリームの選び方として重視すべきポイントは3つあります。
- ケアしたい悩みに合わせる
- 好みの香りを選ぶ
- 肌馴染みの良い物
- 手荒れを予防するのか
- 治療したいのか
- 既にできてしまったひびやあかぎれを治したいのか
- かさついた手荒れを治したいのか
これらによって変わってきます
乾燥や粉っぽい肌には
乾燥によりかさつきが見られたり、粉っぽい肌になってしまったときに効果を期待できるのが、ヒアルロン酸やグリセリン、セラミドといった成分が配合されたハンドクリームです。
これらの成分は優れた保湿能力を持っているため、角質層の乾燥を防ぎ、潤いを与え、肌荒れを防止する効果を持ちます。
主にひび割れやあかぎれとまではいかなくとも、乾燥がひどい・かさつきが目立ってきたという段階で、これ以上酷くならないよう、予防のために使用することをおすすめします。
ひび割れやあかぎれのときには
ひび割れやあかぎれがある手には、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンBなどのビタミン系の成分が配合されたハンドクリームを使用するのが望ましいです。
これらのビタミン類は肌のターンオーバーを促進したり、毛細血管を流れる血液の循環を良くしたりする働きがあります。
ひび割れやあかぎれがある時には、極力尿素が使用されたハンドクリームを手に塗るのを控えるようにし、ビタミン系の成分が多く含まれているハンドクリームを使用するようにしましょう。

TPOを配慮して、シーンに応じて無香料のものを
ハンドクリームには植物ならバラ、ラベンダー、シトラスなど様々な香りを持つハンドクリームがあります。
しかし、職場などで使用する際は強すぎる香りを持つハンドクリームを使用するのは控えるようにしましょう。
なるべく無香料の商品を選び、購入して使用するのがおすすめです。
自分に合ったハンドクリームで手荒れ予防!
手荒れが起こる一番の原因は乾燥になります。
冬場の気温の低下と乾燥は、手の血液の循環や代謝を鈍くし水分を蒸発しやすくして、結果手荒れに繋がってしまいます。
手荒れにならないようすぐにでも出来る予防法として、食器洗いなどに使用する洗剤は洗浄力が高すぎる洗剤を使用するのを控えたり、水仕事などの水を使った作業をする際にはゴム手袋をはめるなどの対策をするようにしましょう。
また、一概にハンドクリームと言ってもどれも同じ効果ではなく、手荒れの症状に合っていないハンドクリームを使用してしまうと、刺激が強くて痛みが出たり、手荒れが余計に悪化することもあります。
手荒れに効果的なハンドクリームの選び方としては、手のかさつきを治療・または予防したいのか、すでにできてしまったひび割れやあかぎれを治したいのかなどといった目的で変わっていきます。
自分に合ったハンドクリームでケアをして、指先から美意識を高めていきましょう。
その他の手の肌荒れに関する記事はこちら
安くても効果のある美白ハンドクリームとは?美白ハンドクリームの成分と選ぶ際のポイント、おすすめ商品をご紹介!!
ハンドクリームは手荒れを防ぐだけじゃない!美白効果のあるハンドクリームをご紹介
手の美白にも保湿ケアを!手の美白に必要な保湿効果の高いハンドクリームとは?
おすすめの手荒れと肌荒れアイテムはこちら
NALC薬用ヘパリンハンドクリームで乾燥と無縁の肌に