皆さんは普段漢方薬を使っていますか。
体が不調続きで西洋医学では太刀打ちできなかった場合、東洋医学で使われている漢方を用いることが多いですが、この漢方は美白などの美容面でも効くのでしょうか。
漢方薬で美肌や美白が叶うのか、ぜひご覧ください。
漢方薬の美肌効果
漢方薬とはさまざまな生薬が組み合わさって、それによってその人の体質に適した体の症状に対応できる薬です。
漢方という名前はそれぞれ「漢」が中国、「方」が治療法を指していることから「中国伝来の医学」と言えます。
それを日本人の体質に合わせて発展したのが今の形となります。
漢方の特徴
よく私達は病になったときに体の一部分にだけを診てしまいがちですが、漢方では体全体の状態をバランスよく見直す考え方を持っています。
それに、漢方は病名が付いていない不調(未病)にも対応できる長所があります。
病院に行くほどではないにしても、何となく不調を感じる時もあります。
そんなときに漢方が役立ち、心身のバランスを整えてくれます。
同じ症状でもどこがどう症状が来ているのかによって、処方・配合薬は違ってきます。
大切なのはその人その人が持っている体の体質やバランスで、漢方はそこに重きを置いているのです。
漢方薬で美肌の効果はあるのか
ここまで漢方薬と病気について説明してきましたが、美容にも漢方は効果があるのでしょうか。
先ほども述べた漢方の基本的な考え方は、体の不調をバランスが崩れた状態から整えることです。
これは肌の状態にも当てはまり「何となく肌が荒れる」といった不調でも、漢方では心身のバランスが崩れた状態だとみなし、肌トラブルに対してもアプローチしてくれます。
西洋医学では化粧品や塗り薬を肌に塗るというような体の外から肌に働きかけるのに対して、漢方では体の中に働きかけて肌トラブルを起こさせないような体質作りをしてくれます。
漢方から見て美肌とは
よく「肌は内臓の鏡」という言葉があるように、心身のトラブルが崩れるとそれに関連して肌にもトラブルが起きるものです。
- ホルモンバランスの乱れ
漢方ベースの考え方ではわずかにバランスが乱れただけでも肌に影響を及ぼします。
それでも検査をしても異常が見つからないケースです。
ホルモンバランスを整えるためには不規則な生活やストレスの改善が挙げられます。 - 胃腸のトラブル
消化不良が起きていたり、慢性的な便秘や下痢が起きていても肌に影響してきます。
この場合漢方では胃腸のトラブルから治療を開始します。
そうして胃腸が治っていくと、肌も改善されてきます。 - ストレス
ストレスは漢方で重要な気の流れを乱して、ホルモンバランスにも悪影響になります。
もちろんストレスは転職や結婚など本人にとって喜ばしい出来事も含まれています。
そんなストレスは自覚するのが難しいし、気持ちだけでは変えられない場合があるので漢方が使われるケースがあります。
シミと漢方
漢方と肌トラブルの定義を見てきたところで、次は美白に大切なシミ対策です。
漢方でもシミは体の内側に原因がある肌トラブルの1つです。
とりわけ血の巡りが滞ることが関連しているようです。
気・血・水
漢方では人の体というのは「気・血・水」の3要素のバランスが良く体内を巡ることが健康維持に必要だと考えられています。
ここに異常がみられるとイライラや気分が高まったり、不眠になったりする。
血に異常がみられるときは、文字通り月経不順や貧血などの血にまつわる疾患が出る。
シミは「血」の巡りが大切
気・血・水を学んだことで、シミについて戻ると特に「血・けつ」の巡りが大きく影響しています。
「血」は体の隅々に栄養を届けるので、その巡りがスムーズに行われなければシミができてしまいます。
血の巡りを良くすることでお肌も表面まで届くし、美肌をキープすることが出来るのです。
漢方の面から見たシミ対策
「血」の巡りがシミには大切と述べましたが、実生活でどんな改善をしていけば良いのでしょうか。
ここでは気と水にも着目して改善点を見てみます。
ホルモンバランスを整えよう
女性では毎月の生理周期や産後などはホルモンバランスが変化しやすく、肌がデリケートになるゆえにシミが現れやすくなっています。
「生理痛がひどい」「目の周りのクマが目立つ」など、西洋医学でも血(ち)に関わる容体は、漢方でも血(けつ)の巡りが悪く、上唇やあご部分を中心にシミが現れやすくなります。
その場合、キーワードは疲労・ストレス・冷えです。
ゆっくり体を休めて疲労やストレスを溜めないようにしましょう。
体を触ってみた時に冷たく感じる箇所があったら、積極的に温めましょう。
- カイロ
- 腹巻き
- レッグウォーマー
- 厚めの靴下
ストレスを解消しよう
漢方ではストレスが溜まると、元気の源である「気」の巡りも悪くなります。
そうなると、先ほどの「血」の巡りも悪くなってしまいます。
そんな状態が続くと、女性特有の便秘や生理前のPMS症状(月経前症候群)が起きる他に、やがて額やこめかみ、鼻筋といったところにシミができてしまいます。
ストレスが溜まると険しい表情をしていたり、眉間にシワが寄っていたりして嫌ですよね。
そんなときは笑いの時間を取り入れましょう。
シミが出やすく悩む頃は30~40代の方が多く、仕事や家事、育児などで忙しく過ごされているでしょう。
そんな自分を時には褒めて笑いの時間を増やしましょう。
思いっきり笑えばマイナスの感情を吹き飛ばせるので「気」の巡りも隅々まで行き届かせられます。

また、シミ対策には相反するかもしれませんが適度に太陽光を浴びましょう。
紫外線があるから日光に当たりたくないと思うかもしれませんが、太陽のリズムに合わせて生活すると、健康的な美しさを維持できると考えられています。
ストレスも変わってきますし、冷え性対策で「血」の巡りにも良いでしょう。
胃腸の働きを良くしよう
シミは外側だけではなく、内側からも対策できます。
となると、食べ物から栄養を摂り込む場合は胃腸を良くしておいた方がシミ対策にもつながります。
暴飲暴食や偏食、夜食、早食い…こんな食べ方をしている方は、どんなに食事内容が良くても栄養効果が半減してしまいます。
よく噛んで唾液を出しながら食べましょう。
そして、普段から栄養バランスや食事量に気をつけましょう。
- 豆や雑穀類(ハトムギ、黒豆、小豆)
- 瓜類(冬瓜、カボチャ、きゅうり)
美白に効果のある漢方薬の種類
特にツムラ漢方薬には1つに1つに番号が付けられていて、何と100種類以上もの数が存在しています。
そんな多さの中から、美白に効果のある漢方薬はどれでしょうか。
桂枝茯苓丸料加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)
のぼせや冷えを伴う月経不順やシミ・ニキビなどに効果があります。
この漢方は「血」の巡りを良くして、肌に栄養を行き渡らせます。
皮膚のターンオーバーを正常化させて、シミやニキビや手足の荒れなどの悩みを改善させます。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
十味敗毒湯とは、皮膚の赤みや痒みを発散させて腫れや化膿を抑えてくれます。
また、そのようになりやすい体質をも改善してくれます。
患部がじゅくじゅくしているときに、熱を発散させて肌を正常にしていく薬です。
じんましん、湿疹、皮膚炎、水虫などに効果があります。
ヨクイニン
ヨクイニンは肌が荒れがちな方や肌のキメが乱れている方、イボが気になる方におすすめな漢方です。
肌のターンオーバーを正常化させることで、体の中から改善されると見込まれます。
ヨクイニンはハトムギの皮を除いた種でお肌のために用いられてきた生薬です。
消炎作用や体の水分バランスを滑らかに整えてくれます。
ただし、脂漏性角化症はウイルス性イボではないので、効かない可能性があります。
当帰飲子(とうきいんし)
当帰飲子という漢方は分泌物の少ない湿疹やかゆみがある乾燥肌に適していて、皮膚に潤いを与えてかゆみを鎮めてくれる作用があります。
体の血行を良くして体を温め、水分を保たせる作用もあります。
漢方薬を使う時の注意点
漢方薬は和漢植物を配合した薬で、症状に対して西洋医学とは違ったアプローチをします。
漢方薬を飲むときはどんなことに気をつければいいのでしょうか。
証・しょう(体質)について
漢方の概念ではその人の体質・体力・抵抗力・症状の現れ方といった状態を見てから判断していて、それを「証」と呼んでいます。
人それぞれ体格や体質は違いますから、同じ症状でも「証」が違えば処方される薬も違ってきます。
先ほどいくつか漢方をご紹介しましたが、「おすすめの方」を記載したのもこの「証」に関わるからです。
この証を正しく見極めないと他の人が飲んでも効果が期待できない可能性があるからです。
このことを踏まえて特にご自身で漢方を購入するときは、ご自分の体質を把握しておく必要があるでしょう。
ー | 証での体質早見表 | ||
虚証 | 中間証 | 実証 | |
体型 | 華奢である | 中肉中背である | 筋肉質でがっしりしている |
声 | 細くて小さい | 普通 | 大きくてしっかりしている |
体力 | すぐ疲れる | どちらともいえない | 全く疲れない |
肌 | サメ肌で荒れやすい | 普通 | ツヤツヤしていて、血色も良い |
元気 | あまりない | どちらでもない | ありあまっている |
胃腸 | 弱い方 | 普通 | 丈夫な方 |
食欲 | あまりない | 普通 | いつもある |
爪の状態 | 爪に筋や波がある | 普通 | ピンク色で滑らか |
便秘 | 大して気にならない | 何とも言えない | つらい |
これらの項目であてはまる数が一番多かったところが貴方の「証」です。
もし、実証と中間証が同じ数なら「やや実証」、虚証と中間証が同じ数だったら「やや虚証」、実証と虚証が同数なら「中間証」と考えてください。
服用に関する注意点
漢方は西洋医学での即効性とは違い、症状の程度や期間の長さ、体質や生活習慣などで効果の出方に差が出てきます。
気になる症状が無くなった時点で服用を中止しても良いですが、1~2ヶ月服用しても効果が出ないなら、一度医師や薬剤師に相談した方が良いでしょう。
漢方と言えども薬でして、少なからず副作用が出る物もあります。
副作用はむくみだったり、血圧上昇だったりさまざまです。
特にこれから紹介する4つの生薬が含まれている漢方には、注意が必要になります。
- 甘草(かんぞう)
- 麻黄(まおう)
- 大黄(だいおう)
- 附子(ぶし)
そして、漢方薬は動植物から抽出された物が多く多糖類やたんぱく質も配合されていますから、ごくまれにアレルギーが起こることがあります。
ごくまれとは記載しましたが、認識は持っておいた方が良いでしょう。
- 発疹
- 膀胱炎
- アレルギー性の肝炎
- 間質性肺炎
漢方は美容に効きますが薬です
病や健康増進に役立つ漢方薬が、実は美肌にも効果があることがわかりました。
漢方から見た美肌は独特な考え方があり、「気・血・水」のバランスが整うことが一番良いそうです。
シミや美白に対しても内面からの疾患が原因で、肌に表れるものが多くこれらを改善する1つが漢方の使い方です。
こちらでは美白や美肌に効く漢方をいくつか紹介しましたが、漢方には「証」というその人の体質や体力を診て処方薬を決めるそうです。
同じ症状でも体質によって合う漢方薬は違いますから、ぜひ、ご自身の「証」を把握しておいて下さい。
- 体力がある
- 筋肉質でがっちりしている
- 血色がよく、肌にツヤがある
- 大きくて太い声
- 胃腸が強いが便秘気味
- 暑がり
- 体力がなくて弱弱しい
- 細くて華奢
- 顔色が悪くて肌荒れしやすい
- 細くて小さな声
- 胃腸が弱くて下痢もしやすい
- 寒がり
漢方で美白や美肌を目指したいのなら、これらのことを踏まえて上手に使って頂けたら幸いです。
健康に気をつけて美白になりましょう。
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