自分の肌にできるニキビには知識や経験はあっても、生まれて間もない我が子の肌にポツポツと出始めた吹き出物に対しては、不安になってしまいますよね。
もしかしたらアトピー性皮膚炎なの?感染症?と不安は募るばかり。
そんなお母さんに少しでも役に立てるように、赤ちゃんの肌トラブルとニキビについて調べてみました。
考えられる乳幼児のニキビの原因
ニキビと言えば思春期の赤ニキビや大人の白ニキビをイメージしがちなため、赤ちゃんにもニキビが出来るの?!と驚く方もいるかもしれません。
乳幼児の肌は敏感
実は大人以上に乳幼児の肌、特に生後間もない新生児の肌は敏感なのです。
子供の肌トラブルは痕になってしまう可能性もあるので、親御さんにとっては特に気がかりな問題ではないでしょうか。
しかし、落ち着いて下さい。
あまり周知されていませんが、殆どの乳幼児は免疫力が低く汗腺がまだ未発達なうえ、お母さんの妊娠時ホルモンが赤ちゃんの体内にも残っている影響で、生後2~4か月は皮脂の分泌が非常に盛んな状態なのです。
新生児ニキビの根本的原因
新生児ニキビの根本的原因は、大人のニキビと同じように皮脂分泌量が過剰で毛穴が詰まり炎症してしまう事に起因しています。
このような理由から、生後1週間~1ヶ月頃の新生児の殆どに自然と顔や頭皮に赤みや肌トラブルの症状が現われはじめます。
突然、皮膚のはがれや赤い湿疹・凹凸が出来てしまうとあせも?アトピー?アレルギー?と慌ててしまうかもしれませんが、月齢の低い赤ちゃんには付き物の症状でかゆみも殆どありません。
まずは、慌てず経過を観察しましょう。
乳幼児ニキビは成長と共に快方に向かうお子さんが殆どですので、決して強く洗ったりかさぶたを無理に剥がそうとしないで下さい。
もしもニキビの悪化でかゆがったり、肌から黄色い液が出てくるレベルであれば速やかに皮膚科に連れて行ってあげて下さい。
乳幼児のニキビに似た皮膚疾患
ここで注意したいのが、稀にニキビ症状が酷くなり皮膚炎に発展してしまうケースや、ニキビと類似する症状でも治療法が異なる皮膚疾患を抱えるお子さんがいる事です。
ただのニキビだと甘く見ていたら、深刻な皮膚疾患になってしまったり実は違う皮膚病だったというケースはとても怖いですね。
それを避けるためにも、お母さんが目をかけてあげる事は非常に大切なことなのです。
接触皮膚炎
乳幼児の皮膚疾患として最も代表的なものは、あせもや接触皮膚炎(おむつかぶれ、よだれかぶれ)です。
いずれも赤みが広がっていくためニキビと迷うかもしれませんが、判断基準としては「よだれかぶれ」は口周りのみでニキビの様に顕著なブツブツがあまり見られないのが特徴です。
- 乳幼児ニキビ→首から上にしか症状が表れない
- あせも→汗を掻く身体全体が中心
カンジダ皮膚炎
おしり周りのトラブルとしてオムツかぶれを放置してしまうと、最悪カンジダ皮膚炎にまで症状が悪化してしまう事もあります。
赤ちゃんは体調を崩しがちですが、その際には免疫力が落ちてしまうのでカンジダ皮膚炎の場合、わきの下やお尻、股のしわ部分が赤くなり広範囲の皮膚が剥けてしまいます。
アトピー性皮膚炎
更に、気を付けたいのがアトピー性皮膚炎による痒疹(ようしん)です。
初期段階は軽い赤みがポツポツと点在する程度のため、実は専門医であっても乳幼児ニキビと判別がつきにくいのが現状です。
重度になると強いかゆみを伴いむずがる、皮膚が硬く盛り上がってしまう等が見られ、放置すると広範囲のかさぶたになってしまいます。
この様な場合は衣服の摩擦や石鹸・シャンプーにも過敏に反応してしまうので、通常のニキビやかぶれと対処法も全く違ってきますので注意が必要です。
経過を観察しなかなか治らない場合は、アトピー性皮膚炎ではなくアトピーの可能性もありますので、セカンドオピニオンを利用し複数の医師の意見を仰ぐのも有効でしょう。
先天性皮膚疾患
そして、特例となるのが生まれつきの皮膚疾患です。
耳のいぼや体の赤いあざ(サーモンパッチや海綿状血管腫、いちご血管腫、足に表れる単純性血管腫)等がこれに該当します。
あざの原因としては毛細血管が作られていく過程で異常が起こり、それが体の表面にあざとして現れてしまったものです。
あざの程度も様々で、くっきりと赤い物からニキビやかぶれと判別がつかない程薄いものなど個人差が大きいのが特徴です。
これらは成長と共に消えていくものが殆どなのですが、やはり個人差があり、目元や陰部など発症部位によっては大きな病気に発展する事もあります。
先天性皮膚疾患に関してはいずれも保険が利きますので、不安や異変を感じた場合は皮膚科、または形成外科での診断・治療をお薦めします。
乳幼児のニキビの予防
先に記述した通り、生後1週間~3ヵ月程度の新生児はお母さんのホルモンの影響で皮脂腺の働きが活発なのですが、まだ毛穴組織の発達が追いついておらず、皮脂や汚れが毛穴に詰まりやすくなっている状態です。
気を付けていても、生理現象としてどうしてもニキビが出来やすくなってしまうのが現実です。
スベスベのお肌や頭皮に突然ニキビが広がると、初めてのお母さんは心配しすぎてしまう事もあるかと思います。
ですが、正しいケアを学んで少しでも赤ちゃんの負担を軽くしてあげる事は可能ですので、焦らず対処をしてあげましょう。
軽度のニキビ
軽度のニキビであれば肌に負担のかかる硬めの衣料品は避け、小まめに衣服やシーツの交換を行なって下さい。
また、沐浴の際には直接肌を擦らず、無添加石鹸をよく泡立ててからガーゼなどで丁寧に拭ってあげましょう。
このように肌を清潔に保ち、更に保湿剤やベビーオイルを優しく塗り込んで皮膚・頭皮を柔らかくしてあげる事で、ニキビの発生や悪化が防止できます。
乾燥期の赤ちゃんの肌
また、生後すぐの皮脂ニキビ期を経た生後3~4か月を迎えた赤ちゃんは、体内の残留ホルモンが薄れ皮脂の分泌量が急速に減っていくので、それまでとは逆に乾燥肌に移行していきます。
秋から冬にかけて生まれた赤ちゃんは特に乾燥しがちな季節にあたってしまうため、乾燥による免疫力の低下でニキビを再発してしまう前にしっかり保湿を行うことが重要です。
ベビーオイルマッサージを行えばニキビケアと並行し、お母さんとの触れ合いにより赤ちゃんのストレスも軽減されオキシトシン(愛情ホルモン)の分泌が促されますので特にお薦めです。
成長と共に免疫力や表皮が形成されていけば、自然と肌トラブルの頻度も減っていきますので、焦らず根気よく向き合ってあげる事が一番です。
生後間もない乳児の肌
抱っこしてみるとわかりますが、赤ちゃんは柔らかく温かいですよね。
事実その通りで、生後間もない赤ちゃんは皮膚がとても薄く、基礎体温が高いため非常に汗を掻きやすいのです。
免疫力と共に肌バリアも発展途上にあり、丁寧なケアを必要としています。
それらが未発達な乳幼児が汗で蒸れると肌の抵抗力が極端に弱まってしまいますので、一度肌トラブルを起こすとどうしても長引いたり広がりがちです。
かゆみを訴えたり重症化する前に、先に記述したような小まめな着替えやスキンケアを行なってあげる事が重要です。
汗疹対策
あせもについては、近年は赤ちゃん用のコットン製品も多種多様ですので、それらを併用してみるのも良いかもしれません。
また失念しがちな点として、乳幼児の肌は成人よりも外気に敏感なため、冷暖房器具の影響を直に受けてしまう事が挙げられます。
勿論個人差はありますが、冷房で背中やお腹が冷えすぎて体調を崩してしまったり、エアコンで肌が乾燥しすぎてしまう、暑さであせもを繰り返してしまうといった事があります。
更に加湿器を併用し湿度が60%を切らないようにする事で、肌の乾燥以外にも風邪予防にも繋がります。
赤ちゃんの紫外線対策
そして、特筆したいのがその皮膚の薄さから、紫外線の悪影響をダイレクトに受けてしまう事です。
紫外線はカルシウム代謝に必要なビタミンDを合成する際に必要という一面もありますが、皮膚の未発達な乳幼児が長時間直射日光に晒されてしまうと、将来的にそばかすや皮膚癌、視力低下等の健康被害を及ぼすケースがあります。
そのため、乳幼児期は直射日光や長時間の日光浴は極力避け、外気浴を行うのが好ましいです。
特に紫外線の強い5月~8月の日光は避けるのが一番ですが、外出する必要がある際は必ず帽子やベビーカーの日よけで日差しから守ってあげましょう。
近年は生後0ヵ月から使用できる赤ちゃん用の日焼け止め製品も増えてきましたので、日中30分以上お出かけになる際はそれらを使ってあげる事も有効です。
2歳からの幼児の肌の特徴
2歳児以降の幼児は自我が発達し丁度歩行ができるようになる頃合いなので、行動範囲が広がります。
子供の成長は勿論嬉しくありますが、反面動き回ったり他人との接触機会も増えますので、肌トラブルが再発しやすい時期です。
幼児期はまだ表皮の厚さが成人の半分程であり、皮脂も少ないため乾燥肌になりやすく、肌を搔きすぎただけで菌やウイルスなどが入り込んだりします。
また汗腺の発達により、発汗によるあせもが出来やすいのが特徴です。
まだまだ皮膚も免疫力も未発達ですので、刺激と乾燥に弱い事は変わりません。
また、生活環境によってはカンジダ皮膚炎、汗疱などを発症してしまうケースがあります。
汗疱 かんぽう(異汗性湿疹)
汗疱(異汗性湿疹)と聞くと耳慣れないためギョッとしますが、手足の薄皮が剥けて湿疹になってしまう、と言うと覚えがある方も多いのではないでしょうか。
主な原因としては汗やアレルギーが挙げられており、汗を掻きやすい子供がなりやすい傾向があります。
ただし、菌性やウィルス性ではありませんので深刻な物ではなく、初期段階であれば靴を小まめに変えたり靴下を5本指靴下に変えるなど、工夫をする事で十分自然治癒が可能です。
幼児の水虫
ごく稀にではありますが、汗疱と類似する症状として幼児でも白癬菌(水虫)に感染する事があり、一般的なかぶれや汗疱とまったく見分けがつかないケースがあります。
家族の中に水虫の方がいる場合は、念のためマットやタオルを共有しないなど気を配るのが一番です。
イボと水疱瘡(みずぼうそう)
2歳児の肌は十分な免疫力がない事から、イボを主とした皮膚感染症にかかるケースが非常に多いです。
- 白い芯がある水疱→水イボ
- 赤みがかった湿疹→水疱瘡
どちらもウイルス性の発疹です。
軽度のかゆみを伴い、掻くと潰れてウイルスが広範囲に広がってしまいますので、再発しやすく注意が必要です。
一方、水疱瘡は発熱や体のだるさを伴い、空気感染型に分類されるため子供が多い場所で集団発生しやすいのが特徴です。
一週間程でかさぶた状になり自然治癒しますが、ごく稀に完治後も小さな痕やケロイドが残ってしまう場合がありますので、予防注射を受ける事でそれらのリスクを回避出来ます。
日頃から清潔と保湿を心がけ、必要があれば医師と相談しながら肌ケアを行う事をお薦めします。
大人になって後悔させないために
赤ちゃんのお肌について記述してきましたが、赤ちゃんの肌はとても敏感で繊細という事を少しでも知っていただけましたら幸いです。
しかし、スキンシップをよく行う事で心身のバランスが整い、疳(かん)の虫やイヤイヤ期が軽減されるといったデータがあります。
他にも成長ホルモンの分泌を促し、ストレス耐性や免疫力が高まりやすい効果もありますので、親子でコミュニケーションを取りながらスキンケアが行える環境であれば理想的です。
夏場はベタつきが少なく頭皮にも使えるローション類を、冬場は油分が多く水分も補えるクリームタイプを用意してケアしてあげましょう。
乾燥肌が顕著なお子さんには、ローションの後オイルやワセリンの重ね塗りをしてあげるのがお薦めです。
そして、お風呂の後にも保湿を兼ねて、優しくマッサージしてあげましょう。
始めは少々手間に感じてしまうかもしれませんが、スキンケアの副次的効果としてこれら多くのメリットがありますので、乳幼児期~幼児期を通して日々のスキンケアを習慣化する事が大切です。
ニキビのないスベスベお肌はお母さんが愛情と時間をかけてあげた証明です。
肌に関するトラブルは思春期の悩みに繋がる可能性もありますので、お子さんの将来のためにもぜひ早期からスキンケアに取り組んであげて下さい。
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