美容品には肌に有益な事が多いですが、良くない成分も配合されています。
では、法の下ではどう扱っているのでしょうか。
今回は化粧品と薬事法の関係を紐解いていきたいと思います。
厚生労働省と薬事法、薬機法
日本で化粧品が他の国より安心して使用する事が出来るのは、化粧品の成分に対する規制が薬事法により厳しくされているからです。
なぜ厳しいのか
何故化粧品に対して厳しく規制されているのかと言いますと、薬の成分には身体に侵入した細菌やウィルスを殺菌する効果が含まれていますが、細菌やウィルスを殺すだけでなく正常な細胞を殺してしまったり、傷つけて有害な細胞に変質させてしまう可能性があります。
肌をキレイにする効果のある成分には身体に重大な副作用を与える可能性もあります。
よって、消費者保護の観点からそれを防ぐ目的で制定されており、薬品会社や薬の卸売り業者などに厳しい規定を設けています。
有害かの基準は実際にマウスや人体にその生物に害があるかの実験をし、安全性が認められれば市場に出せるようになります。
病気が絶対に治るなどを謳って販売してしてしまうと、効果が出なかった際に虚偽宣伝にあたってしまいます。
厚生労働省はその様な事態を防ぐために、各部門で臨床検査を主導で指導などを行い、安全性を確認しています。
医薬品とは
臨床検査に通った成分を医薬成分として認めています。
項目 | 説明 |
医薬品 | 薬事法で定められており、医薬品は人や動物の病気や予防のために使用され、尚且つ機械器具(機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品)ではない |
医薬部外品 | 体調不良を緩和に抑え、蚊などの害虫の防御のために使用され、尚且つ機械器具ではない |
化粧品 | 見た目の美貌を変化させて、皮膚などをキレイに保つという考え方 |
ビタミンが不足して調子が悪くなった際にサプリメントを服用したとします。
ビタミンの補充をした場合は薬ではありませんが、身体に足りない成分を補給すると言う薬に近いものがあります。
薬ではありませんが、サプリメントで健康を維持する事が出来ると認められたものが健康機能食品とされている例もあります。
ですので、消費者が安心して化粧品を使用する事が出来る理由の一つとなっています。
しかし、薬事法とは異なり薬機法には医薬部外品の事に関しては定められてはいません。
ですので、美肌や美白成分に関しては薬事法の領域となっていると言えるでしょう。
美白成分の効果
化粧品で肌が白くなるのは化粧品の中に配合されている成分が肌の害になる要素を抑制しているからです。
しかし、抑制し過ぎると言う事は肌に害が与える可能性があるという事でもあります。
害を生じさせるものを混入しない様に国が基準を定め、健康を阻害しない様にしています。
美白成分でメラニンの生成を抑制し続けてしまうと白斑になってしまい、むしろ皮膚ガンを発症されてしまうリスクも考えられます。
個人で利用する事が目的の場合は日本に持ち込む事は出来ますが、日本の法律に反している商品ですので、肌に害が発生しても国は保証してくれず、自己責任となります。
しかし、外国では実際のセレブ芸能人が愛用しているほど、効果がある程度期待出来る様です。
厚生労働省が認可した美白成分
美白成分が多数あると言っても、有害な結果が発生したら問題になってしまいます。
そこで日本では厚生労働省が治験して問題の無かった成分の配合を認めてメーカーが販売しています。
日本で認可されている成分の例を挙げていきたいと思います。
コラーゲン
コラーゲンは肌を若々しく見せる事で有名な成分ですが、肌の奥にあるハリと弾力を維持する働きがあります。
この成分は年齢を重ねるごとに徐々に減少してしまうため、外部からコラーゲンを摂取していく必要があります。
コラーゲンは主にすじ肉から抽出されるゼラチンに含まれています。
肌に塗ったり食事から摂っても問題ない成分と言えるでしょう。
アルブチン
アルブチンは医薬部外品に配合されており、紫外線を肌に浴びてしまう事で発生するメラニンの発生を抑制する働きがあります。
肌にシミやシワが出来るメカニズムとしては、紫外線を肌に浴びてしまうとメラニンが発生し、メラニンがチロシナーゼと言う成分を利用して働きを活発にし、活発になったメラニンが肌に色素を沈着されるのです。
アルブチンはそのチロシナーゼの働きを抑制する事でメラニンの生成を抑制する事に繋がります。
アルブチンはビタミンCとの相乗効果が期待出来ますので、一緒に摂取する事をおすすめします。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体はビタミンCの効果を高めるために人工的に合成された成分です。
ビタミンCには活性酸素を除去する働きがありますが、構造は壊れやすく、過熱しただけでビタミンCの大半が失われてしまいます。
また、皮膚がビタミンCを吸収しないため、直接塗布するのは意味がないと言われています。
そんなビタミンCが効率よく吸収する事が出来る様に改良されたのがビタミンC誘導体です。
水溶性の成分を油溶性に変換して皮膚に浸透しやすくさせる事によって肌の酸化を抑制する事が出来ます。
活性酸素の除去効果により、肌のターンオーバーを正常にして皮膚の状態を正常に保つ効果が期待する事が出来ます。
ビタミンC誘導体は医薬部外品に配合されている成分ですので安心して使用する事が出来ます。
エラグ酸
エラグ酸は抗酸化作用の高い成分であり、ザクロなどの果物やナッツ類に豊富に含まれています。
身体に発生する活性酸素を除去して肌に対するダメージを抑える働きがあります。
また、活性酸素はチロシナーゼの働きを活発化させてシミなどを生成してしまうため、エラグ酸はシミ対策としても大いに効果を発揮します。
この成分はハイドロキノンに似た性質を持っているため、使用していく内に肌が少しずつ白くなる美白成分が期待する事が出来ます。
TXC(トラネキサム酸セチル塩酸塩)
トラネキサム酸セチル塩酸塩はシャネルによって開発された成分であり、トラネキサム酸を科学的に合成して肌に浸透しやすくした成分です。
美白を謳う商品はメラニンを抑制させてしまいますが、この成分は必要最低限のメラニンを生成しますので、白斑になる可能性が抑えられます。
この成分は人の肌に馴染む様に開発されているため、自然の成分よりかは効果が期待する事が出来ると思います。
またこの成分は一度塗ったら長時間持ちますので、一日2回で済むのも利点であると言えます。
やっぱり知りたい美白効果のアレコレとは!美白成分の効果やおすすめの美白化粧品をご紹介!
認可以外の美白成分
日本で認可されている成分以外にも美白効果を期待する事が出来る成分は存在します。
しかし、それは外国の薬事法が緩く設定されている事もあるため、日本の安全性の高い化粧品と比べると身体に害を与えてしまいやすいと言えます。
日本人にもこの成分を使用したいと言う方が買いに行くと言う事もあります。
そこで、それらの成分を挙げたいと思います。
ハイドロキノン
ハイドロキノンは自然界に存在する成分であり、写真の現像で使用されていましたが、その際に現像した際に手が白くなっていたため、美白成分として認識されました。
ハイドロキノンは浸透させた箇所のメラニンの生成を阻害し、メラニン色素の発生を抑制する事でシミやそばかすの沈着を防ぐ効果が期待出来ます。
しかし、ハイドロキノンは化粧品の成分としては認可されていても、薬事法としての医薬部外品としては認可されていません。
ハイドロキノンを使用すると白斑になってしまう恐れがあり、アメリカでは医薬品として使用量が規制されています。
日本の化粧品に配合されているハイドロキノンの量はアメリカで定められている量より多いのですが、化粧品扱いです。
アメリカでは白斑の問題もあり早くから規制されてきましたが、日本ではあまり問題になっていない事から化粧品の括りになっています。
ロドデノールは医薬部外品として美白効果のある成分とされてきましたが、白斑問題の事も考えるとハイドロキノンの扱いにも注意しなければなりません。
過酸化水素
過酸化水素は黄色く変色してしまった歯の色を白くするために使用されています。
主に漂白剤として使用されており、キッチン用品の汚れを取る程の強い力を持っているため、歯医者のホワイトニングに使用されています。
その強い漂白性は肌を白斑にさせてしまうほどですので、日本の薬事法で劇物に指定されています。
歯医者でも厳しい管理の上での使用が認められているため、医師の説明を受けた処方の元で過酸化水素のホワイトニングを行う事が出来ます。
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日本と外国の美白の規定はちがいます
日本人における美白の安全性は国の厳格な法整備によって守られています。
もし、国が美白成分の危険性を周知していて対策を放置していた場合、国民の肌の健康に影響が出てきてしまいます。
つまり、薬事法は国民の健康を良く考えた結果を元に整備されてきたものと言えます。
過去に医薬部外品と認定された製品も白斑が多数確認された影響で禁止に組み込まれた例もあります。
日本の薬事法も時の流れによって変わっていくのです。
しかし、外国の法とは違う側面があり、日本で禁止されている成分も使用していい事もあります。
それを使用したい場合は個人輸入で通販で購入したり、現地に赴いて日本に持ち込む事も認められていますが、日本の法から外れているので自己責任になります。
外国の化粧品も魅力的ですが、やはり日本が保証している化粧品を使用する事が貴女にとって安心する事が出来るかもしれませんね。
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