今回は、肌の常在菌『簡単に言うと肌に住んでいる菌のこと』について説明します。
肌の菌というと汚いとか悪いとかいうイメージがありますが、中には美肌に必要な菌もいるのです。
肌の常在菌はそれぞれ役割を持っていて、バランスが崩れると肌荒れやニキビなど様々なトラブルを引き起こします。
みなさんもこの記事を読んで、良い種類の常在菌を増やすスキンケアをしていきましょう。
Contents
肌の常在菌の種類とは?
人間のお肌には常在菌という菌が住んでいます。
常在菌はお肌にとって良いものなのでしょうか?
それとも悪いものなのでしょうか?
ここではお肌の常在菌について見ていきます。
皮脂膜と常在菌
肌の皮膚は階層構造に成り立っており、階層構造の最上位位置の皮膚が皮脂膜です。
皮膚表面を覆ってる皮脂膜は、厚さ0.5ミクロンの薄い油膜であり、天然の保温クリームと呼ばれています。
皮脂膜の主成分は脂肪酸系脂質で、炭化水素系脂質がその次に多いです。
皮膚常在菌(善玉菌)が生息しているのは皮脂膜です。
皮膚常在菌は、皮脂膜の最前線でスキンバリアとして皮膚を紫外線やウイルス、細菌などの微生物、異物、寒冷、温熱などの攻撃や刺激から守ってくれています。
潤いを保持し、お肌の水分の蒸発を防ぐ
柔軟性がある、なめらかな肌を保つ
熱(暑さ)や寒さからお肌を守る
表皮常在菌の生育を促進する
私たちの肌に常に存在する微生物、それが皮膚常在菌なのです。
様々な菌が皮膚の内側にいて、「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」とカテゴリーに分類されています。
善玉菌
表皮ブドウ球菌
主に代表的なのが表皮ブドウ球菌であり、「美肌菌」とも呼ばれるくらい非常に良い働きをしてくれる菌です。
皮膚表面、角質層内部の隙間に生存しています。
汗や皮脂成分をエサにして代謝することで、自然に肌を弱酸性に保ってくれる働きを促し、お肌に抵抗力をつけてくれています。
また、表皮ブドウ球菌はグリセリンという物質を分泌し、肌を保護して水分を保つ作用があります。
グリセリンとは、私たちが普段使っている化粧品の原料として代表的な保湿成分です。
つまり、表皮ブドウ球菌が働くと化粧品と同じ効果が得られるということです。
しかし、それだけではありません。
美肌菌にはさらなるメリットがあるのです。
市販の化粧品の場合、当然保湿効果を発揮するのは角質層の外側のみです。
一方、表皮ブドウ球菌は角質層内でグリセリンを放出するため、肌の内部から潤い効果を高めることができるのです。
日和見菌(ひよりみきん)
アクネ菌
アクネ菌は酸素のある環境では、ほとんど増殖できずに死滅してしまいます。
そのため空気が入らず、脂肪分が多い場所に住み着くという習性を持っています。
こちらも汗や皮脂成分をエサにして代謝することで、自然に肌を弱酸性に保ってくれる働きをします。

また、皮膚に付着する病原性の強い細菌の増殖を抑える役割を担っています。
しかし、皮脂の分泌量が増えたり、何かの異常で毛穴をふさいだりするとアクネ桿菌が過剰に増殖し、炎症を引き起こしてニキビになってしまいます。
ニキビが悪化して炎症を起こしてしまうのを防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?
ビタミンCやビタミンE(トコフェロール)といった抗酸化物質や、その誘導体を含む化粧水を使用すれば、抗酸化作用によって脂肪酸が酸化するのをを防ぐことができます。
また、脂質の代謝を助けてくれるビタミンB2を摂取すれば、脂質を酸化される前に代謝し、排出してくれる可能性を高めることができます。
ニキビが赤みを帯びる前に悪化するのをを止めることができれば、少なくともニキビ跡が残ってしまう心配はありません。
悪玉菌
皮膚表面や毛穴に潜んでいる菌です。
ブドウ球菌の中では病原性が高いため、皮膚がアルカリ性に傾くと増殖して肌荒れ、アトピー性皮膚炎など引き起こします。
また皮膚に傷ができたときに化膿します。
化膿して黄色くなってしまうのは、黄色ブドウ球菌が皮膚内部から沁み出してきた体液を食べて増殖している証拠です。

黄色ブドウ球菌は、いわゆる化膿菌なんですね。
ちょっとした顔の傷ができて、消毒の仕方が不十分だと大変なことになる恐れがあります。
常在菌のバランスが崩れてしまう原因とバランスを整える方法

食生活の乱れ
普段の食生活がお肌にも影響します。
「美肌は腸から」とも言われるほど肌(皮膚常在菌)と腸の関係は深いです。
また、腸の状態は肌のみではなく、身体の良い健康状態を保つのにも大切な役目を担っていると言われています。
ビフィズス菌やオリゴ糖を含む食品を積極的に摂れば、腸内常在菌から栄養を補い、肌(皮膚常在菌)の善玉菌を活発にすることができます。
ビフィズス菌とは乳酸や酢酸といった有機酸を生成し、悪玉菌の増殖を防いで腸内環境を整え、様々な生理機能を発揮します。
特にビフィズス菌が生成する酢酸には強い殺菌力があり、腸の悪玉菌の繁殖を抑制します。
また、ビフィズス菌は動物や人の腸内で生息する常在菌であるため、加工されていない食品(野菜や肉類など、手を加えていない生の食材)には含まれていません。
そのため、ビフィズス菌を外から補う場合はビフィズス菌を添加した飲料や食べ物を摂る必要があります。
オリゴ糖とは、一般的に複数の糖(ブドウ糖や果糖など)が繋がったものを言います。
複数の種類がありますが、中には胃や腸で消化されにくい難消化性のものもあります。
これは大腸内で善玉菌のエサとなり、ビフィズス菌などの善玉菌の増殖を援助します。
表皮ブドウ球菌やアクネ菌などの善玉菌にとって苦手な環境とはどういう環境なのでしょうか。
洗いすぎている
健全な皮膚の環境を実現するには、まず洗いすぎない事が大切です。
洗浄力の強いクレンジング剤は肌を傷つけてしまうだけでなく、常在菌にとって住みにくい皮膚の環境を作り出してしまいます。
メイクの汚れはきちんと落とさなければなりませんが、強いクレンジング剤は使わないように心がけるべきです。
朝は水だけでサッと洗顔をしましょう。
出来る限りメイクをしない日を作り、その日は朝、晩ともに水だけで洗顔、肌と菌を守りましょう。
乾燥している
菌は乾燥が苦手です。
汗や皮脂が少ない表皮では増殖することができません。
表皮ブドウ球菌やアクネ菌によって皮膚表面にある皮脂は分解され、肌を弱酸性にする脂肪酸がかけ離れますが、皮脂が少ないとかけ離れる脂肪酸も少なく、弱酸性を保つ事ができなくなります。
そうすると黄色ブドウ球菌などのアルカリ性で活発になる菌が優位になり、肌の炎症を起こし、かゆみや湿疹などを引き起こします。
運動不足
エアコンの効いた室内などで快適に過ごし、汗をかく習慣があまり無い人は、汗腺の機能が落ちているかもしれません。
体温調節のためにエクリン汗腺からでてくるさらさらな汗は、99%が水分で残りは塩分、ミネラル、乳酸、尿素などです。
身体にとって必要であり、大事な成分は無駄にしないようにと、汗腺にはミネラルなどを再吸収するシステムがあります。
しかし、汗をあまりかかないという人ではその機能がうまく働かず、ミネラル豊富の汗をかいてしまいます。
ミネラル分の多いねっとりとした汗はアルカリ性で、黄色ブドウ球菌が多く存在する事によって優位になり、かゆみや湿疹を引き起こします。
肌はなぜ弱酸性?

では、なぜお肌は弱酸に保たれているのでしょうか?
コマーシャルなどで弱酸性肌の商品が紹介されていましたが、なぜ肌は弱酸性になるのかにはどのような理由があるのでしょうか?
肌が弱酸性になる理由
皮膚の細菌が生み出す物質
これらのことにより皮膚は弱酸性になり、肌を守る役割をしています。
しかし、これらの大切な物は刺激の強い洗顔料などを使って洗顔して皮脂を落としすぎてしまうと皮膚表面は弱酸性にならず、外部のあらゆる刺激に耐えられなくなってしまいます。
では皮膚はどのような仕組みになっているのでしょうか。
私たちの体の部分には若干の差はありますが、だいたい表の皮膚は真皮が1.8mmあり、表の皮が0.2mmの厚みです。
皮脂腺の役割は表面の皮膚を弱酸性にし、水や脂肪酸から守ってくれ、表面の皮膚の柔軟性を保つ皮脂が生成されています。
表面の皮膚に表皮ブドウ球菌が常に存在しており、表皮ブドウ球菌が発する物質が表面の皮膚を弱酸性にする役割をしています。
人によっては食中毒になるブドウ球菌や黄色ブドウ球菌を思い浮かぶ人もいますが、顕微鏡でブドウ球菌を調べると、ブドウのように見えるのでブドウ球菌と名付けられています。
なので表皮ブドウ球菌も名前は似てますが、体には悪いものではなく逆に私たちの体を守る役割をしてくれています。
ですが表皮ブドウ球菌と皮脂は体をゴシゴシ洗うと、すべて流されてしまい皮膚を守ることができなくなくなってしまうのです。
コマーシャルでお馴染みの弱酸性のA社の商品。
この商品は弱酸性で肌にとても良い商品です。
ではこの商品の配合成分はどのような物が含まれているか調べてみました。
A社の商品がどうして弱酸性なのかは、化学物質を配合してしまうと肌が弱酸性にならないので、この商品は肌が弱酸性になるように作られています。
pHで弱酸性に
pHは酸性、アルカリ性の数値です。
pH 7が中性なのに対し少ない数値だと酸性、大きい数値だとアルカリ性となります。
食べ物で例えるとコーヒーは5~6.5 レモンは2.5 ビール4.5 牛乳は6.2位です。
人間の体にもpHはあります。
血液は7.4 胃液は1.5~2.0 汗は7.0~8.0で肝心なお肌は4.5~6のpHです。
数値からやはり肌は弱酸性です。
そのため、肌のお手入れは刺激がない弱酸性の物でpHの数値を維持し、弱酸性のお肌にしていきましょう。
肌に優しいのは弱酸性かアルカリ性か
私たちが使用している石鹸や洗剤、洗顔液にはアルカリ性、酸性、中性の3つがあります。
またpHにもアルカリ性、酸性があり私たちの体も同じく2つの種類があります。
コマーシャルで弱酸性の洗顔料が紹介されています。
なぜ弱酸性が良いのかは弱酸性を使用すれば、肌への攻撃性が少ないからです。
ではアルカリ性はどうでしょうか。
洗顔料などに含まれている界面活性剤ですが、その中ではアルカリ性の性質を持つものだけが洗い終わった後に界面活性剤を肌に残さないのです。
アルカリ性は、肌の弱酸性と中和することができるので、お肌のターンオーバーを正常化することに繋がります。
そのため、お肌の状態を今よりも良くすることができる可能性があります。
次にpHは7までいくと中性です。
7~0に上がるほど酸性になり、逆に7から数字が上がるとアルカリ性になります。
人の皮膚はpHが4.5~6ですので、弱酸性になります。
脂性肌の方は酸性で乾燥肌の方はアルカリ性になると言われています。
弱酸性の方は肌が健康な状態ですから、肌が弱酸性なのは良い事なのです。
なお、気を付けるものは成分です。
石鹸は弱アルカリ性ですが、実はアルカリ性の物質を配合して製造されています。
肌は弱酸性なので、弱アルカリ性の石鹸で洗顔するのは中和する事に繋がる、弱アルカリ性の理論でしょう。
それでは肌にいいという弱酸性ではどうなるのでしょうか。
肌が酸性ですと汚れや皮脂も酸性になります。
商品が弱酸性と同じ性質にあるのに対し、効果的な洗浄力があるかと言われるとあまり効果はないでしょう。
石鹸に配合されている成分で代表的なもので脂肪酸ナトリウムがあります。
脂肪酸ナトリウムは酸性の肌では洗浄力は大きく下がります。
弱酸性商品では合成界面活性剤が配合されています。
多くの化粧品に含まれる配合成分ですが肌にとってはあまり良くないことが分かっています。
合成界面活性剤は強力な毒性を持ち、タンパク質や皮膚を破壊して体に浸透してしまう怖い成分で、身体へ悪影響を及ばします。
これらの事を考えると、弱酸性は肌に良いという商品に惑わされないように成分もよく考えて購入しましょう。
肌を健康にするには無論弱酸性を保つのが良いのですが、肌の汚れを落としたいのならアルカリ性は必要です。
弱酸性、アルカリ性のいいところを見抜き、上手に使用するのがとても大切です。
洗顔は弱アルカリ性で行い、化粧水は弱酸性で仕上げるのがグッドです。
良い常在菌を増やすスキンケアを
肌は弱酸性を自然と守る役割をしています。
弱酸性は細菌から皮膚を保護し、なおかつ自然治癒力を備えているのですが、細菌に対し敏感に反応し低刺激推奨で肌の力がなくなってしまいます。
この事は体の免疫力にも影響があり、刺激や菌に関わっている肌を保護する機能が低下します。
弱酸性は肌に優しいですが、それだけでは優しい肌にはなりません。
しかし、どちらが現在のお肌の状態にとって最適なものなのかは人によってそれぞれ違います。
今のあなたのお肌がどういう状態なのかを知ったうえでお肌に合うものを選んでいきましょう。
自分のお肌の状態が分からないという方は、デパートなどの化粧品コーナーで肌診断を受けるのもいいかもしれません。
弱酸性、アルカリ性の肌への優しい部分を見つけ出して強く美しい肌へ変えていきましょう。
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